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神経質な地合いか |
日銀は22日の金融政策決定会合で大規模な金融緩和策の現状維持を決定した。イベントを無難に通過し、日経平均は後場に持ち直したものの、3万2402円(前日比168円安)引けと4日続落した。米長期金利の上昇を背景に資金逃避の動きが続いており、リスク回避ムードは根強いとみられる。現地21日時点で3連敗中の米国株式が落ち着きを取り戻さないと、日本株買いも制約されるだろう。
米国の利上げが長引くとの見方から前場は売り優勢となったが、短期間に日経平均が本日の安値を含めて1400円も下げた反動から、後場は修正高へと移行している。
円安の弊害が指摘され出している状況で円安を止めるのは利上げしかなく、今後も現状維持で行けるか疑問を残す結果にもなっている。
【来週の見通し】
来週(25−29日)の日経平均株価は、月末・四半期末、半期末を迎える。
週前半は材料難の中で外部環境に神経質な地合いが予想される。週後半に軟調展開の可能性があるだろう。配当落ちの影響や、指数絡みの売りが想定され、相場の重しとして意識される。
27日は9月末の権利付き最終売買日に当たり、28日には配当落ち(推定225円分)のインパクトが発生する。さらに、29日の終値ベースで日経平均の銘柄入れ替えを受けたファンドのリバランスが実施されるとみられ、それに伴う換金売りが約4100億円生じる見通しだ。ちなみに、過去10年の9月の権利落ち週の日経平均のパフォーマンスは悪い。当該週の終値が始値を上回ったケースは2013年以降で2回しかない。
昨年の9月末の日経平均は前日比で484円安(-1.83%)だった。全体的には需給イベントも重なる。27日は権利付き最終日、28日は権利落ち日となり、年金資金などTOPIX(東証株価指数)をベンチマークとする大口投資家による「配当再投資」に伴う買いが入る。
年金資金などを運用・管理する信託銀行などが、運用ポートフォリオに占める株式資産の配当落ちによる目減りを補うため、機械的にTOPIX先物に買いを入れるためだ。
一方、日本経済新聞社は9月4日、日経平均株価の構成銘柄の入れ替えを発表した。市場流動性の観点からメルカリ、レーザーテック、ニトリHDを新規採用。一方、日本板硝子、三井E&S、松井証券を除外する。10月2日の入れ替えに伴い、前営業日となる29日の大引けで採用される銘柄を買い入れ、除外される銘柄を売却することが見込まれる。
地合い次第ではあるものの、29日の終盤にかけては値動きが大きくなる可能性に留意したい。
業種別のリターン・リバーサルの動きが予想される。9月はこれまでのパフォーマンスから見る限り、グロース業種への買い・バリュー業種への売りが意識されよう。
9日は中国9月財新製造業PMIの発表が取引時間中に予定されている。米国株安が続くなど外部環境の悪化次第では日本株にヘッジ売りなどが強まるシナリオも想定しておきたい。
■上値・下値テクニカル・ポイント(22日現在)
33119.04 ボリンジャー:+1σ(26週)
33087.31 ボリンジャー:+1σ(25日)
32995.84 ボリンジャー:+1σ(13週)
32990.17 6日移動平均線
32894.42 均衡表転換線(日足)
32642.46 75日移動平均線
32542.47 25日移動平均線
32541.29 均衡表雲上限(日足)
32463.58 13週移動平均線
32454.78 均衡表転換線(週足)
32454.78 均衡表基準線(日足)
32402.41 ★日経平均株価22日終値
32180.53 均衡表雲下限(日足)
31997.63 ボリンジャー:-1σ(25日)
31931.33 ボリンジャー:-1σ(13週)
31452.80 ボリンジャー:-2σ(25日)
31399.08 ボリンジャー:-2σ(13週)
31309.56 26週移動平均線
30907.96 ボリンジャー:-3σ(25日)
30866.83 ボリンジャー:-3σ(13週)
30566.31 均衡表基準線(週足)
29759.94 200日移動平均線
29500.08 ボリンジャー:-1σ(26週)
27690.60 ボリンジャー:-2σ(26週)
27431.12 均衡表雲上限(週足)
下向きに転じた75日移動平均線を下放れ、8月29日以来の25日移動平均線割れで終了。パラボリックが陰転したほか、13週線が2週連続で下降したこともあり、短期的な売り圧力増大を警告する形となった。一目均衡表では一時雲下限割れからやや値を戻したが、終値は雲上方に復帰できずに三役好転下の強気形状を終了。転換線の下降開始とともに地合い悪化を示唆した。
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