相場概況(前引け)
反発 ファナックが大幅高、利上げ観測で銀行買い継続
東京株式(前引け)=反発 ファナックが大幅高、利上げ観測で銀行買い継続

 
2日午前の日経平均株価は反発し、午前終値は前日比195円78銭高の4万9499円06銭だった。上げ幅は一時300円を超えた。
 
きょう前場は半導体やデータセンター関連の主力銘柄に買い戻しが顕著となり、日経平均は切り返しに転じた。前日の米国株市場ではNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに下落したが、東京株式市場はこれに先立って日経平均が前日に大幅安に売られていたこともあり、足もとで下値抵抗力を発揮した。ただ、上値も重く4万9000円台後半では戻り売りに押し返される格好となっている。
日銀の利上げ観測を背景に銀行や保険が引き続き上昇した。一方、不動産や建設では下落する銘柄が多かった。
 
前日に大きく下落したファストリやアドテスト、フジクラなどに買いが優勢となった。1日に米半導体大手エヌビディアと協業すると発表したファナックが大幅高となり、日経平均を押し上げた。ファストリとファナックの2銘柄で日経平均を約120円押し上げた。
 
日銀の植田和男総裁の1日の発言を受けて、次回18〜19日の金融政策決定会合での利上げ観測が高まっている。金利上昇が業績拡大につながりやすい銀行が買われ、三菱UFJと三井住友FGが連日で上場来高値を更新した。第一生命HDなど保険も上昇が目立った。市場では「2週間後に日銀の追加利上げが実施されるとの前提で、安心して買いに動ける対象が銀行と保険」との声があった。
 
2日午前の国内債券市場では長期金利が一時1.880%まで上昇し、17年半ぶりの高水準をつけた。財務省は2日に10年物国債入札を実施する。利上げ観測が急速に高まるなか、株式市場でも10年債入札が注目されている。
 
日経平均の上値は重かった。前日の米株式市場では利益確定や持ち高調整目的の売りが優勢となり主要3指数が下落した。米株安を受けて、東京市場でも積極的な買いは限られた。
 
後場の日経平均株価は、堅調に推移しそうだ。米国で利下げ観測が維持されるなか、円安気味の為替が輸出関連銘柄を支える可能性がある。また、ドル建て資産の再評価を背景とした買いも想定される。ただし、米長期金利や為替の急変動、それに伴うリスク回避の動きには注意が必要で、需給のひっ迫感が後場の焦点になろう。
 
 
 

東証株価指数(TOPIX)は反発した。前引けは8.01ポイント(0.24%)高の3346.34だった。トヨタや三菱重、ソフトバンクグループ(SBG)の下げが重荷となり、下げに転じる場面があった。JPXプライム150指数は反発した。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆4702億円、売買高は10億2372万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は630。値下がりは897、横ばいは82だった。
 
業種別では、非鉄金属、石油・石炭製品、ゴム製品、化学、電気機器、精密機器、食料品、銀行業などが買われるなか、医薬品、機械、情報・通信業、輸送用機器、不動産業などが軟調だった。特に非鉄金属と石油・石炭製品セクターの堅調さが目立った。
 
個別では断トツの売買代金をこなしたキオクシアホールディングスが高いほか、フジクラも大商いで堅調。アドバンテスト、ディスコなども買いが優勢。三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも値を上げた。キヤノン電子が値上がり率トップに買われ、ファナックの物色人気も際立つ。KLabも上値を追った。
 
半面、ソフトバンクグループが売りに押され、東京電力ホールディングスも下落した。三菱重工業、三井海洋開発、第一三共、エーザイも安い。Link-Uグループが急落、ユニチカ、トリケミカル研究所も大幅安だった。

 

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