NY株/欧州株概況
ダウ反発117ドル高、エヌビディア決算を好感
【市況】ダウ反発117ドル高、エヌビディア決算を好感

29日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比117ドル03セント高の4万2215ドル73セントで終えた。
 
エヌビディアは3%超高とハイテク株をけん引。前日の取引終了後に2025年2~4月期決算を発表し、売上高は四半期として過去最高となった。人工知能(AI)向け半導体の需要の底堅さが示される中、この日のダウ平均は買いが先行した。日系証券筋は「同社がAI半導体分野で主導権を握っていることが改めて確認された」と語った。
また、トランプ政権が発動した相互関税について、米国際貿易裁判所は28日、「違法で無効」と判断し、差し止めを命じる決定を下したことも相場の押し上げ材料となった。ただ、29日午後には連邦巡回区控訴裁判所が判決を一時的に停止することを命じたと報じられ、市場では「高関税政策が撤回される状況にはなっておらず、値上げなど企業の対応が引き続き注目される」(同)との声が聞かれた。
 
トランプ関税が違憲だとして米国内の中小企業などが起こした訴訟で、米国際貿易裁判所は28日にトランプ政権に関税差し止めを命じた。4月2日に発表した「相互関税」に加え、違法薬物対策などを名目にカナダ・メキシコ・中国に課した追加関税が対象となる。トランプ政権は即日控訴した。29日午後には連邦巡回控訴裁判所が28日の米国際貿易裁判所の差し止め命令を一時停止する判断を下したとも伝わった。
 
関税の差し止め命令が出たことで、関税を巡るリスクが低下したとの見方があった。半面、大統領が通商法301条を適用するなど違う手段を用いて関税を発動するとの観測も浮上し、「不透明感がむしろ強まった」との声もあった。ダウ平均は270ドル下げる場面もあるなど方向感が定まらなかった。
 
同日の米債券市場で米長期金利が低下(債券価格は上昇)し、株式の相対的な割高感が薄れた。一方、ダウ平均は今年の安値を付けた4月上旬から戻りを試す局面が続いており、高値警戒感や過熱感が相場の重荷となる場面があった。
 
ダウ平均の構成銘柄ではボーイングやアムジェン、シェブロンなども買われた。一方、前日夕に決算発表したセールスフォースが下落し、ダウ平均の重荷となった。IBMやゴールドマン・サックスも売られた。
 
ナスダック総合株価指数は反発した。前日比74.934ポイント(0.39%)高の1万9175.872で終えた。ブロードコムなど半導体株の一角が上げた。
 
 


【シカゴ日本株先物概況】
29日のシカゴ日経平均先物は上昇した。6月物は前日比45円高の3万7915円で終えた。
この日はトランプ米政権の関税の一部に差し止めが命じられたのをきっかけに日経平均株価が大きく上昇。
だが、米控訴審で差し止め命令が一時停止されるなど関税を巡る不透明感から米株式相場の上値は重く、シカゴ市場の日経平均先物には買いの勢いが限られた。
 
シカゴ日経225先物 (円建て)
37915 ( -495 )

シカゴ日経225先物 (ドル建て)
37940 ( -470 )
 
( )は大阪取引所終値比






【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
 
29日の英FTSE100種総合株価指数は小幅に続落し、前日比9.56ポイント(0.10%)安の8716.45で終えた。トランプ米政権が公表した関税の一部に差し止め命令が出たものの、市場では米関税政策の先行き不透明感が払拭されたわけではないとの受け止めが聞かれる。
 
自動車売買ウェブサイトを運営するオート・トレーダー・グループの株価急落も、FTSE100種指数の重荷となった。
 
FTSEの構成銘柄では、中古車販売サイトのオートトレーダー・グループが11.27%安と急落、同社が29日公表した2025年3月期の業績が物足りない内容だと受け止められた。
送電大手ナショナル・グリッドが3.78%安、飲料大手コカ・コーラ・ヘレニック・ボトリング・カンパニーが2.39%安で続いた。他方、物流施設大手セグロは4.13%高、産金大手フレスニロは3.26%高、医療機器のコンバテックは3.05%高となった。




■ドイツ・フランクフルト株価指数
 
29日のドイツ株価指数(DAX)は続落し、前日比104.96ポイント(0.43%)安の2万3933.23で終えた。米関税政策の先行きに不透明感が根強い。米政権が公表した関税の一部について差し止め命令が出たことを好感して前日比高く始まったものの、買いの勢いは続かなかった。
 
個別では、総合電機大手シーメンスと通販大手ザランドが2.25%安、セメント大手ハイデルベルク・マテリアルズと不動産大手ボノビアが2.10%安と下げを主導。
半面、高級車メーカーのポルシェは1.45%高、日用品大手ヘンケルは1.26%高、分子診断大手キアゲンは1.06%高と買われた。



■フランス・パリ株価指数

フランスの株価指数CAC40は小幅に3日続落し、前日比0.10%安で終えた。


 

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