NY株/欧州株概況
20ドル高と小幅続伸、米中貿易摩擦の警戒和らぐ
【市況】20ドル高と小幅続伸、米中貿易摩擦の警戒和らぐ
25日のNYダウ工業株30種平均は4日続伸し、前日比20ドル10セント高の4万0113ドル50セントで終えた。
 
ダウは直近3営業日で1900ドル超上げたため、取引開始後は利益確定の売りが先行。米ミシガン大が発表した4月の消費者調査では、1年先の期待インフレ率が6.5%と1981年以来の高水準を付けた。高関税政策による物価高再燃リスクが嫌気され、ダウの下げ幅が拡大した。
一方、中国政府が米国製の一部半導体について報復関税の対象から除外したなどとする報道を手掛かりに買い安心感も広がり、ダウはプラス圏に切り返した。半導体大手エヌビディアは4.3%高と、相場をけん引した。
 
トランプ米大統領は25日、日本との関税交渉について「合意にとても近づいている」と述べた。中国についても「習近平国家主席とも何度も話している」と語った。市場では「(トランプ氏が相互関税を発表した)2日と比べると、関税を巡る不確実性はいくらか和らいでいる」との見方があった。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、アルファベットが1.6%高で終えた。24日夕発表の2025年1〜3月期決算で売上高が市場予想を上回ったうえ、増配と自社株買いを発表したことが好感された。ハイテク株買いを後押しし、ダウ平均の構成銘柄ではエヌビディアやアマゾン・ドット・コム、マイクロソフトなどが上昇した。

ダウ平均は下げ幅が370ドルを超える場面があった。トランプ氏やベッセント米財務長官から、関税を巡る対中強硬姿勢の緩和を示唆する発言が相次いでいる。中国についても「米国からの一部輸入品に対する125%の関税の一時停止を検討している」と米ブルームバーグ通信が25日までに報じた。米中対立への過度な懸念が和らぎ、ダウ平均の戻りが続いたあとで、主力株の一角に売りが出た。

消費者の景況感悪化も重荷となった面があった。25日にミシガン大学が発表した4月の米消費者態度指数(確報値)は52.2と速報値(50.8)から上方修正されたものの、2022年7月以来の低水準だった。市場では「依然として消費者心理がひどく悪化していることを改めて意識させた」との声が聞かれた。

その他のダウ平均の構成銘柄では、メルクやボーイング、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が買われた。半面、ベライゾン・コミュニケーションズやナイキ、アメリカン・エキスプレスは下げた。

ナスダック総合株価指数は4日続伸した。前日比216.896ポイント(1.26%)高の1万7382.939(速報値)で終えた。テスラが9.8%高で終えた。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が5月から米政府効率化省(DOGE)よりテスラの経営に時間を割くと語ったことが引き続き追い風となった。人員削減を進めていると伝わったメタプラットフォームズは2.6%高となった。
 
 

【シカゴ日本株先物概況】
25日のシカゴ日経平均先物は上昇した。6月物は前日比430円高の3万6000円で終えた。同日の東京市場で日経平均株価が上昇し、シカゴ市場の日経平均先物にも買いが入った。







【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
 
25日の英FTSE100種総合株価指数は小幅ながら10日続伸し、前日比7.81ポイント(0.09%)高の8415.25で終えた。終値として3日以来、約3週間ぶりの高値となる。関税を巡る米中対立が緩和に向かうとの見方が投資家心理を支えた。
 
指数への寄与度が大きいエネルギー株が上昇し、指数を支えた。英航空機エンジン大手ロールス・ロイス・ホールディングスといった資本財関連や、銀行株に買いが優勢となった。半面、日用品の英ユニリーバや、たばこ株が下落。小売り、資源関連の一角が下げた。
 
FTSEの構成銘柄では、投資会社メルローズ・インダストリーズが3.77%高、賭け屋大手エンテインが3.37%高、航空機エンジン大手ロールス・ロイスが2.75%高と買われた。一方、日用品・食品大手ユニリーバは2.21%安、流通大手マークス&スペンサーは2.15%安、産金大手フレスニロは2.14%安と下げが目立った。

 

■ドイツ・フランクフルト株価指数
 
25日のドイツ株価指数(DAX)は4日続伸し、前日比177.94ポイント(0.80%)高の2万2242.45と2日以来の高値で終えた。米中貿易摩擦が激しさを増すとの懸念が後退し、投資家心理が上向いた。
 
個別では、航空機エンジン大手MTUエアロ・エンジンズが4.64%高、化学品商社ブレンタークが4.49%高、セメント大手ハイデルベルク・マテリアルズが3.78%高と相場をけん引。半面、通信大手ドイツテレコムは4.79%安、通販大手ザランドは2.73%安、コメルツ銀行は1.71%安で引けた。



■フランス・パリ株価指数

フランスの株価指数CAC40は4日続伸し、前日比0.44%高で終えた。



 

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