NY株/欧州株概況
3日ぶり反発238ドル高、米中対立の懸念後退
【市況】3日ぶり反発238ドル高、米中対立の懸念後退


17日のNYダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発し、終値は前日比238ドル37セント(0.51%)高の4万6190ドル61セントだった。

 

前日に意識された米地銀の信用不安を巡る過度な警戒感が和らぎ、投資家のリスク回避姿勢が後退した。関係悪化が懸念される米中が貿易交渉を続けるとの観測も、相場を支えた。

 

トランプ米大統領は17日放送の米テレビ番組で、11月から課すとしている100%の対中追加関税は「持続可能ではない」と述べ、これまでの強硬姿勢を修正。米中首脳会談を2週間後に予定していると語った。発言を受け、市場で両国の対立激化を巡る不安が後退し、IT大手など幅広い銘柄が買われた。

 前日に米地銀の信用リスクが浮上し金融株が売られたが、この日は問題が市場全体に波及しないとの見方が優勢となり、買い戻された。同日発表された米クレジットカード大手アメリカン・エキスプレスの好決算も、金融市場に対する懸念を緩和した。

 ただ、市場では「ゴキブリを1匹見つけたらもっといるかもしれない」(米金融大手JPモルガン・チェースのダイモン最高経営責任者)と、警戒感も根強い。日系証券担当者は「来週に他の地銀や投資会社の決算を見て、全体に広がる問題かどうかを見極めたい」と話した。

 

ザイオンズ・バンコーポレーションとウエスタン・アライアンス・バンコープがそれぞれ融資に関する不正行為を巡る訴訟を起こしていたことが16日に明らかになってから、信用リスクの高まりが意識され、前日には金融株の売りが膨らんでいた。

 

地銀のフィフス・サード・バンコープが17日に発表した2025年7〜9月期決算は、1株当たり利益と預貸利ざやが市場予想を上回った。底堅い決算発表を受け、市場では「ザイオンズとウエスタン・アライアンスの問題が地銀業界の一部で起こった局地的なものだった」との受け止めがあり、買い直す動きが出た。

 

ザイオンズ・バンコーポレーションは20日に、ウエスタン・アライアンス・バンコープは22日に、それぞれ25年7〜9月期決算の発表を発表する。「貸倒引当金やローンの延滞率の動向などから米地銀業界の健全性を確認したい」との指摘が聞かれた。

 

ダウ平均の個別銘柄では、アメリカン・エキスプレスが急伸した。同日朝に発表した25年7〜9月期決算では、1株利益などが市場予想を上回り好感された。IBMやビザ、シスコシステムズも上昇した。コカ・コーラやウォルマートにも買いが入った。半面、キャタピラー、セールスフォース、アマゾン・ドット・コムは売られた。ゴールドマン・サックスも下落した。

 

ナスダック総合株価指数は反発した。終値は前日比117.438ポイント(0.52%)高の2万2679.975だった。ネットフリックスやテスラに買いが入った。アップルも上昇した。

 

【シカゴ日本株先物概況】

17日のシカゴ日経平均先物は上昇した。12月物は前日比220円高の4万8245円で終えた。米中貿易摩擦を巡る過度の懸念が後退したことなどで同日の米株式相場が反発し、日経平均先物にも買いが入った。








【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
 

17日のFTSE100種総合株価指数は小幅に反落した。前日に比べ81.52ポイント(0.86%)安の9354.57で終えた。16日に米銀大手が保有債権に疑義が生じたと発表し、投資家心理が弱気に傾いた。週末とあって持ち高調整を目的とした売りが優勢になった面もあった。

 

FTSEの構成銘柄では、産金大手フレスニロが10.50%安と急落。金融大手バークレイズは5.66%安、資産運用大手インターミディエイト・キャピタル・グループ(ICG)も5.53%安と大きく下げた。一方、教育・メディア大手ピアソンは2.33%高、大衆医薬品のヘイリオンは1.94%高、生活用品大手レキット・ベンキーザーは1.83%高となった。





■ドイツ・フランクフルト株価指数
 

17日のドイツ株価指数(DAX)は反落し、前日比441.20ポイント(1.81%)安の2万3830.99で終えた。米地銀の信用不安が高まり、投資家のリスク選好姿勢が後退した。金融株に売りが優勢だった半面、業績が好調と受け止められた銘柄には買いも入った。

 

個別では、防衛大手ラインメタルが6.37%安、ドイツ銀行が6.07%安、保険大手アリアンツが4.45%安と下げを主導。半面、17日に発表した2025年7〜9月期の決算速報で利益率が市場予想を上回ったと発表し、好感した買いが優勢になった自動車部品大手コンチネンタルは11.35%高と急騰したほか、化学品商社ブレンタークは2.39%高、化粧品大手バイヤスドルフも1.65%高と買われた。





■フランス・パリ株価指数

フランスの株価指数CAC40は3日ぶりに反落し、前日比0.17%安で終えた。

 

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