NY株/欧州株概況
114ドル高と5日続伸、統計・決算控え様子見
【市況】114ドル高と5日続伸、統計・決算控え様子見

28日のNYダウ工業株30種平均は5日続伸し、前週末比114ドル09セント(0.28%)高の4万0227ドル59セントで終えた。
 
週内には3月の米個人消費支出(PCE)物価指数や4月の雇用統計などの重要統計に加え、マイクロソフトやアマゾン・ドット・コム、アップルなどのハイテク大手の決算発表を控えている。日系証券筋は米中の貿易摩擦激化と関税引き上げによる業績への影響を注視していると説明。「アマゾンについては販売する中国製品の輸入状況などが気になっている」と話した。アップルは0.4%高、マイクロソフトは0.2%安、アマゾンは0.7%安となった。
一方、中国情報通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)が人工知能(AI)向け半導体のテストを準備しており、米エヌビディア製の半導体からの乗り換えが期待されているとの28日に米紙ウォール・ストリート・ジャーナルの報道が重荷となり、同社株は2%超下げた。
 
ベッセント米財務長官は28日の米CNBCのインタビューで、関税交渉を巡り「インドが最初の取引になるかもしれない」との見解を示した。交渉が進めば貿易相手国への関税政策が緩和され、世界経済に与える影響が軽減されるとの見方が広がった。ただ、中国との貿易摩擦が解消に向かうかどうかは「中国次第だ」とも述べ、交渉の行方にはなお不透明感が残る。
 
その他の大手ハイテク株も上値が重く、ダウ平均の構成銘柄ではアマゾン・ドット・コムが下げた。今週はアマゾンのほか、アップルやマイクロソフトが2025年1〜3月期決算を発表する。市場では「ハイテク株に対する市場の信頼感を高める決算になりそうだが、関税を巡る懸念は残っている」との指摘がある。市場参加者は収益見通しや幹部発言から関税の影響を見極めようと様子見の姿勢を強めている。
 
そのほかのダウ平均の構成銘柄では、ボーイングが上昇した。アナリストが投資判断を引き上げ、好感された。IBMとベライゾン・コミュニケーションズ、シェブロンも買われた。一方、ナイキやセールスフォース、ホーム・デポは下落した。
 
ナスダック総合株価指数は5営業日ぶりに小反落した。前週末比16.806ポイント(0.09%)安の1万7366.133(速報値)で終えた。アルファベットやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が下げた。
 
NYダウ    40227.59 ( +114.09 )
S&P500    5528.75 ( +3.54 )
NASDAQ  17366.13 ( -16.81 )
米10年債利回り  4.208 ( -0.029 )

NY(WTI)原油   62.05 ( -0.97 )
NY金      3347.7 ( +49.3 )
VIX指数    25.15 ( +0.31 )

 
 



【シカゴ日本株先物概況】
28日のシカゴ日経平均先物は下落した。6月物は前週末比75円安の3万5925円で終えた。外国為替市場で円高・ドル安が進行し、輸出関連株の収益の重荷になるとの見方から日経平均先物に売りが出た。
 
 
シカゴ日経225先物 (円建て)
 35925 ( +15 )
 
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
36005 ( +95 )
 
( )は大阪取引所終値比
 
 







【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
 
28日の英FTSE100種総合株価指数は小幅ながら11日続伸し、前週末比2.09ポイント(0.02%)高の8417.34で終えた。11日続伸は2019年12月以来の長さとなる。関税を巡る米中対立が緩和に向かうとの期待が投資家心理を支えた。
 
英アストラゼネカなど製薬株が買われた。スポーツ賭博サイトの運営などを手掛けるエンテインが大幅高。同社が米MGMリゾーツ・インターナショナルと共同出資し北米で事業を展開する会社が2025年1〜3月期に大幅な増収となったと28日に公表し、支援材料となった。通信や住宅建設も上げた。
 
半面、資源に売りが優勢で、指数の上値を抑えた。エネルギー株の下げも重荷だった。
 
FTSEの構成銘柄では、賭け屋大手エンテインが6.80%高と急伸し、ホームセンター大手キングフィッシャーが2.99%高、システムキッチンメーカーのハウデン・ジョイナリーが2.35%高で続いた。一方、エンジニアリング会社ウィアーグループは2.08%安、金融大手スタンダード・チャータードは1.92%安、鉱業大手アングロ・アメリカンは1.72%安だった。




■ドイツ・フランクフルト株価指数
 
28日のドイツ株価指数(DAX)は5日続伸し、前週末比29.22ポイント(0.13%)高の2万2271.67と2日以来の高値で終えた。関税を巡る米国と中国などの摩擦が緩和に向かうとの期待が投資家心理を支えた。
 
個別では、部品メーカーの米スピリット・エアロシステムズの一部資産を取得することで合意したと28日公表した航空機大手エアバスが2.63%高、人工透析製品・サービスのフレゼニウスメディカルケアが2.26%高、ヘルスケア大手フレゼニウスが1.98%高と買われた半面、防衛大手ラインメタルは3.39%安、自動車部品大手コンチネンタルは3.32%安、ハノーバー再保険は2.28%安となった。



■フランス・パリ株価指数

フランスの株価指数CAC40は5日続伸し、前週末比0.49%高の7573.76と3日以来の高値で終えた。


 

戻る
 
サイトTOPへ

株式投資は全て自己責任でお願いします。このサイトの情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。当サイトの掲載事項において損失をされた場合も当方は一切の責任を負いかねます。

(C)ilogos / Eimei.tv