相場概況(前引け)
189円高と続伸 中東情勢の警戒感後退
東京株式(前引け)=189円高と続伸 中東情勢の警戒感後退

 
17日午前の日経平均株価は続伸し、午前終値は前日比189円75銭高の3万8501円08銭だった。
 
きょう前場は主力銘柄中心に買いが継続し、日経平均株価は続伸し3万8000円台半ばに水準を切り上げた。前日の米国株市場でNYダウが反発したほか、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数が大きく切り返したことを受け、投資マインドが強気に傾いている。イスラエルとイランの軍事衝突による地政学リスクへの警戒感もひと頃よりは和らいでおり、リスク選好ムードが強い。外国為替市場でドル高・円安方向に振れていることも輸出セクターを中心に好感され、そのなか半導体セクターの主力銘柄への買いが顕著となっている。
一方、日米関税交渉の先行き不透明感は強く、買い一巡後は利益確定売りが出て上値を抑えた。
 
日経平均の上げ幅は一時260円を超えた。イスラエルとイランの軍事衝突を巡り、「イランが敵対的行為を止め、核開発計画に関する協議の再開を模索している」と米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが16日報じた。トランプ米大統領も「基本的に交渉のテーブルに着いていると思う。イランは合意への署名を望んでいる」と発言し、停戦に向けた動きが進んでいるとの見方が強まった。
 
日米関税交渉の先行き不透明感は上値を抑えた。石破茂首相は16日(日本時間17日午前)、カナダでトランプ米大統領と会談。会談後に石破首相は「双方の認識が一致していない点が残っている。パッケージ全体の合意には至っていない」と述べ、合意に向けて隔たりがあることを示唆した。
 
市場関係者は「地政学リスクの後退は好材料だが、日本企業の業績に影響を与える日米関税交渉の決着の難しさは投資家の上値追いを抑える要因となっている」とみていた。
 
東証株価指数(TOPIX)は続伸し、前引けは4.37ポイント(0.16%)高の2781.50だった。JPXプライム150指数は続伸し、2.91ポイント(0.24%)高の1223.37で前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆715億円、売買高は7億6919万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は793。値下がりは741、横ばいは92だった。
  
後場の日経平均はプラス圏で堅調な推移が続きそうだ。イスラエルとイランの軍事衝突による中東情勢を巡る過度な警戒が後退しており、国内の投資家心理も改善している。ただ、東京市場は引き続き高値警戒感があることに加え、日経平均は3万8500円台が上値抵抗帯として意識され、ここからの上値余地は大きくない可能性もあろう。
また、今日は日銀金融政策決定会合の結果発表と植田日銀総裁の記者会見が行われ、日本時間19日未明には米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表とパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見が予定されている。これらの内容を確認したいとして積極的な買いを見送る向きもあるか。

 
業種別株価指数(33業種)は非鉄金属や水産・農林業、ガラス・土石製品、機械などが上昇。半面、鉄鋼や海運業などは下落した。
 
個別では、前日に続いてきょうも群を抜く売買代金をこなしているアドバンテストが上値追い継続、ディスコも売買代金2位となり大幅高に買われている。東京エレクトロンもしっかりソシオネクストも値を上げた。三菱重工業、IHI、ソフトバンクグループが買い優勢、任天堂、東京電力HD、サンリオ、フジクラなどが上昇した。オリエンタルランドも強い値動き。ワコムが値上がり率トップに買われ、イオンファンタジー、ローツェなどが値上がり率上位となった。上半期の利益水準を評価して一段高の展開となったプロレド・パートナーズも値を飛ばした。
 
半面、日本郵船や川崎汽船などの海運株のほか、gumiが安く、日本製鉄は大きく下値を探った。トヨタ自動車、ファーストリテイリングも軟調。日野自動車の下げも目立つ。住友ファーマも冴えない。ほか、チヨダ、ミガロホールディングス、トランザクションなどが値下がり率上位となった。
 

 

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