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【市況】続伸78ドル高、米利下げ期待で主要3指数が最高値 |
2日のNYダウ工業株30種平均は5日続伸し、前日比79ドル05セント高の4万6520ドル15セントで終えた。米連邦準備理事会(FRB)が追加利下げを決めるとの観測が引き続き相場を支えた。
1日に発表された9月のADP全米雇用リポートが米労働市場の弱さを示す結果となり、市場ではFRBが10月にも追加利下げに動くとの予想が多い。中長期的には米金利に低下圧力がかかり米株式の相対的な割高感が薄れるとして、買い安心感が強かった。
米オープンAIはこの日、企業価値の評価が5000億ドル(約74兆円)に達したと報じられた。これを受けてAI分野の成長に対する強気な見方が広がり、米エヌビディアなど関連の半導体株が買われた。米金利の低下で相対的に割安感が強まった銘柄にも買いが入った。
一方、前日までに上昇した製薬や金融の銘柄を中心に利益確定売りが出て、主要株価指数はいずれもマイナス圏に沈む場面があった。米連邦政府機関の一部閉鎖を巡る先行き不透明感も相場の重荷となった。
市場では、政府閉鎖は1〜2週間程度で終わるとの見方が強い。市場参加者からは「景気への深刻な影響は予想していない」(日系証券)との声が聞かれた。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、インテルやアプライドマテリアルズ(AMAT)など半導体関連の上昇が目立った。米オープンAIが1日に韓国のサムスン電子やSKハイニックスからAI向け半導体を調達すると発表。1日のアジアや欧州で半導体株に買いが集まり、米国の半導体株にも買いが波及した。
ダウ平均は下げに転じる場面もあった。ベッセント米財務長官は2日の米CNBC番組で、政府閉鎖が米国内総生産(GDP)を押し下げる可能性に言及した。米経済の不透明感を高める要因になるとの懸念から、持ち高調整の売りも出た。
ダウ平均の構成銘柄ではアップルやエヌビディア、セールスフォースが上昇した。一方、マイクロソフトやJPモルガン・チェース、メルクは下げた。
ナスダック総合株価指数は5日続伸し、前日比88.894ポイント高の2万2844.051で終え、9月22日以来となる最高値をつけた。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は5日続伸し、連日で最高値をつけた。
【シカゴ日本株先物概況】
2日のシカゴ日経平均先物は上昇した。12月物は前日比270円高の4万5095円で終えた。同日は日経平均株価が上昇し、ダウ工業株30種平均など米主要3株価指数も最高値を更新しており、シカゴ市場の日経平均先物には買いが優勢となった。
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
2日の英FTSE100種総合株価指数は小幅ながら5営業日ぶりに反落し、前日比18.70ポイント(0.19%)安の9427.73で終えた。前日まで連日で最高値を更新した後で、上昇に一服感が出た。同指数は前日の最高値(9446)上回る場面があるなど、下値は堅かった。
原油先物相場の下落を背景に英BPなど石油株が下落したほか、英BTグループといった通信、鉱業や公益に売りが優勢だった。信用調査会社エクスペリアンの下げが目立った。一方で英スーパー大手テスコが上げた。消費や小売りの関連銘柄には買いが優勢だった。
FTSEの構成銘柄では、流通大手テスコが5.28%高、プライベート・エクイティ会社3i(スリーアイ)グループが4.06%高、有害生物管理会社レントキル・イニシャルが2.60%高と大幅に上昇。他方、信用リスク管理サービス会社エクスペリアンは4.22%安、通信大手BTは3.03%安、飲料大手コカ・コーラ・ユーロパシフィック・パートナーズは2.81%安と下げを主導した。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
2日のドイツ株価指数(DAX)は5日続伸した。終値は前日比308.94ポイント(1.28%)高の2万4422.56と8中旬以来、約1カ月半ぶりの高値となった。米国で利下げが続くとの期待が投資家心理を支えた。
個別では、総合電機大手シーメンスが4.21%高、エネルギー大手シーメンス・エナジーが4.13%高、通販大手ザランドが3.42%高と相場をけん引。半面、医薬大手メルクは2.28%安、製薬大手バイエルは1.75%安、航空機エンジン大手MTUエアロ・エンジンズは1.52%安で取引を終えた。
■フランス・パリ株価指数
欧州株式市場で、欧州主要600社の株価指数であるストックス600は上昇し、終値は567.6(速報値)と連日で最高値を更新した。フランスの株価指数であるCAC40は5日続伸し、前日比1.12%高の8056.63と3月下旬以来の高値で終えた。
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