NY株/欧州株概況
反落279ドル安、関税懸念が重荷 
【市況】反落279ドル安、関税懸念が重荷 
11日のNYダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落し、前日比279ドル13セント安の4万4371ドル51セントで終えた。


トランプ米大統領は10日、カナダに35%の関税を通知する書簡をSNSで公表、発動日は8月1日とした。トランプ氏はNBCテレビで相互関税の通知を受けていない貿易相手国・地域に関して「残りの全ての国は20%であれ15%であれ、支払うことになるというだけだ」と説明。米国の高関税政策が世界成長を下押しするとの懸念が高まる中、米株が売られた。
また、来週以降に本格化する2025年4~6月期の決算発表シーズンを控え、利益確定の売りも出やすかった。


米政権がカナダに8月1日から35%の関税を課すと表明。米国の高関税が世界景気を押し下げるとの懸念が広がり、高値圏にある主力株に利益確定売りが出た。


トランプ氏は米NBCテレビのインタビューで、欧州連合(EU)にも11日までに新税率を通知する考えを示した。通知を受け取っていない国には一律で15%か20%の関税を課すことを検討しているとも明かした。


関税引き上げが米国の物価を押し上げるとの懸念から、長期金利は4.4%台前半と前日終値(4.35%)から水準を切り上げた。相対的にみた株式の割高感が意識されやすかった。


S&P500種株価指数とナスダック総合株価指数は10日に最高値を更新した。市場では「投資家は関税率の引き上げは交渉術と受け止めているが、年初来安値から相場が大幅に上昇してきたなかで利益確定売りが出やすい」との見方があった。


来週には大手銀行を皮切りに主要企業による決算発表が本格的に始まる。6月の米消費者物価指数(CPI)を含む物価指標や6月の米小売売上高の発表も予定されており、内容を見極めたい雰囲気も株式の買い手控えにつながった。


ただ、人工知能(AI)関連の収益成長が期待されるハイテク大手の一角には買いが入り、相場を下支えした。前日に終値ベースで時価総額が4兆ドル台に達したエヌビディアに買いが続いた。アナリストが目標株価を引き上げたアマゾン・ドット・コムも上昇した。ダウ平均の構成銘柄ではないがアルファベットも買われた。


このほかの個別銘柄ではナイキやセールスフォース、ビザ、アメリカン・エキスプレスが下げた。アムジェンやシャーウィン・ウィリアムズも安い。一方、ユナイテッドヘルス・グループやシェブロンは上昇した。


ナスダック総合株価指数は4日ぶりに反落した。前日比45.138ポイント(0.21%)安の2万0585.527(速報値)で終えた。メタプラットフォームズやブロードコムなどが下げた。


S&P500種株価指数は3日ぶりに反落した。前日比20.71ポイント(0.32%)安の6259.75(速報値)で終えた。


NYダウ 44371.51 ( -279.13 )

S&P500 6259.75 ( -20.71 )

NASDAQ 20585.53 ( -45.14 )

米10年債利回り 4.416 ( +0.070 )


NY(WTI)原油 68.45 ( +1.88 )

NY金 3364.0 ( +38.3 )

VIX指数 16.40 ( +0.62 )



 

【シカゴ日本株先物概況】

11日のシカゴ日経平均先物は下落した。9月物は前日比200円安の3万9505円で終えた。米政権がカナダに35%の関税を課すと表明したことで世界経済への先行き不透明感が改めて意識され、米株式相場が下落。シカゴ市場の日経平均先物にも売りが出た。



シカゴ日経225先物 (円建て)

39505 ( -5 )


シカゴ日経225先物 (ドル建て)

39560 ( +50 )


( )は大阪取引所終値比



【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

11日の英FTSE100種総合株価指数は4日ぶりに反落し、前日比34.54ポイント(0.38%)安の8941.12で終えた。11日発表された5月の英実質国内総生産(GDP)が市場予想に反して前月比で減少し、英経済の減速懸念が重荷となった。

FTSE100種指数は前日に最高値を更新しており、週末入りを前に利益確定の売りも出やすかった。

FTSEの構成銘柄では、小売り大手JDスポーツ・ファッションが3.27%安、製薬大手GSKが3.16%安、広告大手WPPが2.91%安と下げを主導。半面、産金大手フレスニロは3.48%高、石油大手BPは3.42%高、産金大手エンデバー・マイニングは2.70%高と買われた。



■ドイツ・フランクフルト株価指数
 
11日のドイツ株価指数(DAX)は続落し、前日比201.50ポイント(0.82%)安の2万4255.31で終えた。米関税政策の不透明感が改めて意識されている。米国と欧州連合(EU)の関税交渉を巡っては近く妥結するとの観測が出ていたものの、その後は具体的な動きなどが伝わってきていない。DAXは今週半ばに最高値を更新した後で、週末入りを前に利益確定の売りが優勢となった。
 
医療機器を扱う独シーメンス・ヘルシニアーズやザルトリウスといったヘルスケア関連の下げが目立った。スポーツ用品大手アディダス、化粧品メーカーのバイヤスドルフといった消費関連や化学大手BASFといった素材の関連銘柄も売られた。他方、独シーメンス・エナジーなど電力の一角が上昇。一部金融機関が目標株価を引き上げた自動車の独BMWが上げた。
 
個別では、医療機器のシーメンス・ヘルシニアーズが3.70%安、化学品商社ブレンタークが2.51%安、医療機器のザルトリウスが2.43%安と下落。一方、エネルギー大手シーメンス・エナジーは1.89%高、電力大手RWEと航空機エンジン大手MTUエアロ・エンジンズは共に1.14%高で終了した。



■フランス・パリ株価指数

フランスの株価指数CAC40は5営業日ぶりに反落し、前日比0.92%安で終えた。


 

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