相場概況(前引け)
276円安と続落 米政策に警戒、円上昇も重荷
東京株式(前引け)=276円安と続落 米政策に警戒、円上昇も重荷
27日午前の東日経平均株価は続落し、午前終値は前日比276円15銭(0.72%)安の3万8165円85銭だった。
 
きょう前場はリスクオフの流れとなり、日経平均は下値を探る展開に。一時400円近い下げで3万8000円トビ台まで水準を切り下げる場面もあったが、前場取引終盤は下げ渋った。外国為替市場でドル安・円高が進んだことが輸出セクター中心に買い手控え材料となっている。トランプ次期米政権下での関税引き上げに対する警戒感が自動車株などの下げを助長している。日経平均の下げ幅は限定的ながら、個別株ベースでは全体の86%の銘柄が下落するなど売り圧力の強さが目立った。
 
外国為替市場では円相場が1ドル=152円50銭近辺と、前日の日銀公表値(154円ちょうど近辺)から1円50銭ほど円高・ドル安方向に振れたのに歩調を合わせて株価指数先物に売りが強まった。米連邦準備理事会(FRB)が公表した11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨で、段階的な金融緩和が適切との認識が示されたことや、感謝祭を前にした持ち高整理の動きが円高・ドル安につながった。
 
トランプ次期大統領が表明した輸入関税引き上げによる中国景気の低迷長期化に加え、米国内の物価高が再加速して日本の輸出企業の販売数量が伸び悩むとの警戒も根強かった。前日の米株式市場ではダウ工業株30種平均など主要3指数が上昇した半面、半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は下落した。米国が中国から輸入する製品に追加関税をかけた場合、中国での販売が多い半導体業界への打撃が大きいとの見方もあり、東エレクやアドテストは連日で売りに押された。
 
 

今週は感謝祭ウィークのため、明日28日の米国市場が休場、29日は半日立ち合いとなり市場参加者は減少しそうだ。後場の東京株式市場は、為替の円高進行を睨みながらではあるが、参加者減少を受けて、日経平均は3万8000円水準での小動きとなろう。瞬間的に3万8000円を割り込む場面もありそうだが、参加者が少ないことから売り圧力はさほど強まらないと考える。
 
東証株価指数(TOPIX)は続落した。前引けは前日比22.97ポイント(0.85%)安の2666.58だった。JPXプライム150指数も続落で前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆1250億円、売買高は9億5019万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1418と全体の86%を占めた。値上がりは203、横ばいは24だった。
 
業種別では、非鉄金属、輸送用機器、海運、金属製品、卸売などが下落した一方、医薬品、その他製品、サービス、小売の4セクターのみ上昇した。
 
個別ではアドバンテストの下げが目立つほか、東京エレクトロンも冴えない足元強かった古河電電気工や住友電工、フジクラなど電線株の一角が売られたほか、為替の円高推移なども重しとなり、マツダ、日産自、日野自動車、トヨタ自、ホンダなど自動車株も総じて下落。
サンリオが急落、三井E&Sなどの下げも目立つ。三菱UFJフィナンシャル・グループも売りに押された。このほか、ダブル・スコープ、三菱ケミカルグループ、東急、ジェイテクト、SMCなどが売られた。
 
半面、京成電鉄が保有するオリエンタルランド株の売却を実施したが、立会外で同社株を購入し全て消却する予定であることから、オリエンタルランドが上昇し京成電鉄も買われた。売買代金トップのディスコが高いほか、レーザーテックも商いを伴い上昇。関西電力も買い戻しが優勢となった。ダイドーグループホールディングスが値を飛ばし、ジャノメも大幅高。
このほか、レゾナック、ディスコ、富士通などが上昇。ニトリHD、ニチレイ、イオンなど円高メリット銘柄も買われた。

 

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