相場概況(前引け)
反発 米関税交渉を巡る進展期待が追い風に
東京株式(前引け)=反発 米関税交渉を巡る進展期待が追い風に

 
8日午前の日経平均株価は反発し、前引けは前日比83円49銭高の3万6863円15銭だった。
 
きょう前場は米連邦公開市場委員会(FOMC)の無難通過を受けた前日の米株高や、米関税政策を巡る他国・地域との交渉進展期待が日本株を押し上げた。
時価総額の大きい主力株が買われる地合いとなり、日経平均株価は反発した。トランプ米大統領がバイデン前政権時に策定されたAI半導体の輸出規制を撤回する方針にあるとの報道が、半導体製造装置関連株などへの買いを誘導し、全体相場を支えている。
外国為替市場で1ドル=143円台後半までドル高・円安に振れたことも追い風となった。
ただ、日経平均の上値も重く、一時は下げに転じる場面もあった。
値下がり銘柄数が1000を超え、値上がり数を大きく上回り、TOPIXはマイナス圏で前場の取引を終えている。売買代金は2兆円に届かなかった。
 
7日のNYダウ工業株30種平均など主要3指数が上昇した。米連邦準備理事会(FRB)は7日までFOMCを開き、3会合連続で利下げを見送ったが、想定内との受け止めが多かった。米国と中国が週内に貿易問題を巡る閣僚級の協議に入ることが決まり、米中関係の改善を期待した買いも追い風となり、半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)の上昇が目立った。東京株式市場でも値がさの半導体関連株が買われ、日経平均を押し上げた。
 
市場関係者は「大型連休の上昇がかなり急ピッチだったので、利益確定目的の売りが出ている。半面、日経平均先物は強含んでいるのはトランプ米大統領が『非常に高く評価されている国との主要な貿易協定について発表する』と表明したことから、投機筋による買いが入っているようだ」と指摘。きょう午後については、米関税政策を巡るニュースのヘッドライン(見出し)やトヨタの決算発表の結果を受けて、引き続き方向感に欠く展開を見込んでいた。
 
後場の日経平均株価は、上値の重い展開が継続するか。今日はトヨタ自動車が決算発表を予定しており、今期業績見通しなどを見極めたいとして積極的な買いを手控える向きもある。GW前は決算発表に対するポジティブな動きが散見されており、直近も投資家のリスク回避の姿勢は後退しつつあるだろう。
 
また、東証プライム上場銘柄のうち55%が相互関税発表前の日本時間4月2日の水準を回復した、と日本経済新聞が報じており、25年3月期企業決算が想定以上に堅調で景気に楽観的なムードが市場に漂っているようだ。ただ、二転三転するトランプ米大統領の言動に振らされる地合いは変わっていないか。FRBのパウエル議長は利下げに踏み切る判断には慎重で、FRBの金融政策の遅れに対する指摘の声も上がっており、過度に楽観することなく引き続き注意深く相場動向を見守りたい。
 
 

 
東証株価指数(TOPIX)は反落した。前引けは4.80ポイント(0.18%)安の2691.36だった。JPXプライム150指数は反落し、2.55ポイント(0.21%)安の1194.11で前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆9919億円、売買高は8億5100万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は534。値下がりは1042、横ばいは58だった。
 
業種別では、サービス業、証券・商品先物取引業、非鉄金属などが上昇した一方で、海運業、保険業、陸運業などが下落した。
 
 
個別では、ディスコやアドバンテスト、レーザーテック、アドバンテスト、信越化学などの半導体関連株のほか、フジクラ、川崎汽船、IHI、ディーエヌエーなどが上昇した。ほか、塩野義製薬が実施するTOB価格へサヤ寄せの動きとなった鳥居薬品は急騰が続いており、きょうは値上がり率トップ。第1四半期大幅減益も堅調な受注推移などで安心感が広がったDMG森精機が急騰、ノジマ、イオンファンタジー、横河電機などが値上がり率上位となった。メルカリが物色人気、リクルートホールディングスも高い。ノジマも大幅高となっている
 
半面、任天堂が冴えず、ソフトバンクグループ(SBG)が売りに押された。商船三井が値を下げ、三菱商事も利食われた。日本ライフラインが急落、ネクステージも大幅安となった。
みずほや三井住友などの一部の金融株が軟調に推移。また、ソニーグループ、日立、トヨタ自動車、郵船、ソフトバンクグループ、三菱商事などが下落した。金融庁が行政処分を検討と伝わったネクステージが大幅安、日本ライフライン、インテリジェント ウェイブ、ジャパンディスプレイなどが値下がり率上位となった。

 

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