東京株式(前引け)=反発 直近下げの反動、先物主導
19日午前の日経平均株価は反発し、午前終値は前日比374円51銭高の4万9077円49銭だった。前日までの下落で節目の4万9000円を割って約1カ月ぶりの安値を付けた後とあって、目先の戻りを見込んだ海外短期筋などの買いが入りやすかった。投資家が注目する米エヌビディアの決算発表を前に半導体関連に売りが出て日経平均は下げる場面もあった。
朝方は売り優勢の展開だったが、その後は主力株の一角に買い戻しが入り、つれて日経平均も自律反発に転じた。前日の欧米株市場が全面安に売り込まれたものの、東京株式市場はそれに先立って日経平均が1600円超の急落をみせていたことで、前場段階では下値を一段と売り込む動きは見られなかった。先物に海外投資家とみられる買いが入り、全体相場に浮揚力が働いている。米エヌビディア<NVDA>の決算発表の内容を見極めたいとの思惑はあるものの、半導体関連の一角を除き総じて底堅さが発揮されている。
前日の米株式市場では半導体関連を中心に持ち高整理の売りが優勢だった。東京市場でもアドテストやレーザーテク、ディスコといった半導体関連に売りが出て、相場の重荷となった。日経平均は朝方に下げ幅が400円を超える場面があった。
ソフトバンクグループ(SBG)、ファストリといった指数寄与度の大きい値がさ株が上昇し、フジクラも買われた。良品計画やイオンといった小売り株のほか、建設、不動産などに資金を分散する動きもみられた。
後場の日経平均株価は、売り買い交錯か。前場時点の値上がり銘柄数は67.5%となっており、直近の下落に対する自律反発狙いの買いが継続しそうだが、日本時間明日早朝に発表される米エヌビディアの8-10月期決算を確認したいとして積極的な買いを見送る向きもあろう。そのほか、直近は億万長者のピーター・ティール氏がバブル懸念でエヌビディア株を全売却、ビルゲイツ財団もマイクロソフト株を売却するなど不穏な空気も重なっており、投資家心理はポジティブにはなりにくいだろう。
東証株価指数(TOPIX)は反発した。前引けは前日比24.26ポイント(0.75%)高の3275.36だった。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で3兆2807億円、売買高は12億3911万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1089と全体の約68%だった。値下がりは475、横ばいは48だった。
業種別株価指数(33業種)は非鉄金属、不動産業、銀行業などが上昇。下落は機械、その他製品、金属製品など。
個別では売買代金トップのキオクシアホールディングスが上昇、フジクラ、京セラが高く、ソフトバンクグループも買いが優勢となっている。古河電気工業が値を上げ、SWCCの上げ足の強さも目立つ。コナミグループ、第一三共が上昇した。このほか三井海洋開発、三井金属などが上値を追った。低位株ではユニチカが値を飛ばしている。
半面、レーザーテック、ディスコが軟調、三菱重工業も売りに押されている。荏原が下落、楽天銀行、イビデン、味の素、任天堂も安い。Link-Uグループ、ANYCOLORなどが下値を探った。
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