NY株/欧州株概況
ダウ続落251ドル安、AI相場に警戒感
【市況】ダウ続落251ドル安、AI相場に警戒感


4日のNYダウ工業株30種平均は続落し、終値は前日比251ドル44セント(0.53%)安の4万7085ドル24セントだった。

 

米金融大手ゴールドマン・サックスのソロモン最高経営責任者(CEO)はこの日、香港での会合で「相場が10~20%下がる可能性がある」と警鐘を鳴らした。AI成長見通しを背景に相場が最高値圏を維持する中、投資家心理が冷え込んだ。リスク回避の売りが膨らみ、ダウの下げ幅は一時400ドルを超えた。

 市場参加者は「高値警戒感から小休止が入ってもおかしくない状況だ」(日系証券)と分析した。

 

ダウ平均の構成銘柄ではないが、AI銘柄とされるデータ分析プラットフォームのパランティア・テクノロジーズが7.9%下げた。前日夕に市場予想を上回る好決算や売上高見通しを発表したものの、バリュエーション(投資尺度)の高さを指摘する声が根強かった。株価は前日までに昨年末から2.7倍ほどとなっていた。

 

エヌビディアも下げた。「世紀の空売り」で知られる著名投資家マイケル・バーリ氏が率いるサイオン・アセット・マネジメントが2025年7〜9月期にエヌビディアとパランティアのプット(売る権利)オプションを新規取得していたことが売り材料視された。3日に米証券取引委員会(SEC)に提出した報告書で明らかになった。

 

ゴールドマン・サックスのデービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)とモルガン・スタンレーのテッド・ピックCEOが4日、ともに株式相場が10%以上調整する可能性に言及したと複数のメディアが報じた。米株相場の過熱感や割高感が既に意識されていたなか、大手金融機関の首脳陣の発言も市場心理の重荷となった。

 

パランティアの割高感やサイオンの持ち高と併せて「バリュエーションへの不安が市場のアニマル・スピリットを阻害している」との受け止めがあった。

 

4日には代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインの価格がおよそ4カ月ぶりに10万ドル台を割り込む場面があった。株と同じリスク資産とみなされる仮想通貨の急落は投資家心理の重荷となった。ダウ平均の構成銘柄ではないが、仮想通貨交換業のコインベース・グローバルが大幅安となった。

 

そのほかのダウ平均の構成銘柄では、セールスフォースやアマゾン・ドット・コム、マイクロソフトが売られた。キャタピラーやボーイングも下げた。半面、トラベラーズやメルク、コカ・コーラには買いが入った。

 

ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落した。終値は前日比486.086ポイント(2.03%)安の2万3348.637(速報値)だった。アルファベットやブロードコム、テスラなどが下げた。




【シカゴ日本株先物概況】

4日のシカゴ日経平均先物は下落した。12月物は前日比1365円安の5万1200円で終えた。この日は日米で主要株価指数が下落しており、シカゴ市場の日経平均先物にも売りが加速した。

 

シカゴ日経225先物 (円建て)

51200 ( -310 )

 

シカゴ日経225先物 (ドル建て)

51265 ( -245 )

 

( )は大阪取引所終値比







【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
 

4日の英FTSE100種総合株価指数は小幅ながら3営業日ぶりに反発し、前日比13.59ポイント(0.14%)高の9714.96で終えた。外国為替市場でのポンド安進行を背景に英国外での売上高比率が高い一部銘柄に買いが入り、指数は取引終了にかけて持ち直した。

 

4日のアジア各国・地域やドイツ、フランスの株式相場が軟調に推移したことを受けて投資家が運用リスクを回避する姿勢を強め、FTSE100種指数も安く推移する場面が目立った。

 

FTSEの構成銘柄では、産業・エネルギー会社のメトレン・エナジー・アンド・メタルズが3.65%高、医療機器のコンバテックが2.60%高、商業用不動産大手ランド・セキュリティーズが2.03%高と上昇。半面、小売り大手JDスポーツ・ファッションは4.75%安、高級衣料のバーバリーは3.83%安、賭け屋大手エンテインは3.45%安となった。




■ドイツ・フランクフルト株価指数


4日のドイツ株価指数(DAX)は反落し、前日比183.30ポイント(0.75%)安の2万3949.11と約2週間ぶりの安値で終えた。4日のアジア主要株式相場や米国株相場の下落を受け、投資家がリスク資産とされる株式の買いに慎重姿勢を強めた。

米ハイテク株を中心に株価の割高感が意識されている。

 

個別では、化粧品大手バイヤスドルフとコメルツ銀行がいずれも1.46%高、製薬大手バイエルが1.08%高と買われた。一方、人工透析製品・サービスのフレゼニウスメディカルケアは9.85%安と急落し、スポーツ用品大手アディダスは2.71%安、通販大手ザランドも2.64%安と下落した。




■フランス・パリ株価指数

欧州株式市場でフランスの株価指数CAC40は6日続落し、前日比0.52%安の8067.53と3週間ぶりの安値で終えた。


 

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