東京株式(大引け)=574円高と大幅続伸、米国関税交渉の進展を材料に

【大引け概況】
9日の日経平均株価は続伸し、終値は前日比574円70銭高の3万7503円33銭だった。上げ幅は一時600円を超えた。心理的節目の3万7000円台を終値で回復するのは3月28日以来となる。
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前日の米株式市場では、米英の関税交渉が成立したことが好感されNYダウが254ドル高と続伸。リスク回避姿勢が後退し週末に予定されている米国と中国の閣僚級協議に対する期待も膨むなか、為替は一時1ドル=146円台に乗せる円安が進行した。これを受け、日経平均株価は買い優勢となり、寄り付きで3万7000円台を回復。半導体関連などハイテク株や自動車株、銀行株など主力株が買われた。上昇基調を強めるなか、後場も堅調な展開は続き、3月27日以来、1カ月半ぶりに3万7500円台に乗せて取引を終えた。
TOPIXは11日連続で上昇した。ただ、大手重工や医薬品、海運株などは軟調だった。株価指数オプション5月物の特別清算指数(SQ)値は3万7572円13銭だったとみられている。
米英両政府が8日、2国間の貿易協定を締結することに合意したと発表し、同日のNYダウ工業株30種平均が上昇した。トランプ米大統領が中国に課している145%の関税を50%まで引き下げることを検討しているとも伝わり、貿易摩擦が激化するとの懸念が後退し、世界の景気敏感株である日本株の買いを誘った。
東証株価指数(TOPIX)は11日続伸した。終値は34.77ポイント(1.29%)高の2733.49と、3月28日以来の高水準だった。11連騰は2017年10月(12日続伸)以来の長さ。当時は衆院選で自民党と公明党の与党が大勝し、アベノミクスの継続で日本経済の回復を期待した海外投資家の買いが日本株を押し上げた局面だった。
市場では「米関税政策が世界景気や日本企業の業績に及ぼす影響は慎重に見極める必要があるものの、2025年3月期(前期)の決算と同時に自社株買いを発表するなど資本政策に前向きな企業姿勢が目立っている。4月の日米の財務相会談で為替目標が議題にのぼらなかったとあって急激に円高が進む可能性も小さくなっており、日本株の買いが続きやすい」との見方があった。
JPXプライム150指数は反発し、13.82ポイント(1.16%)高の1209.74だった。
東証プライムの売買代金は概算で5兆7309億円、売買高は26億4904万株とそれぞれ約1カ月ぶりの高水準。東証プライムの値上がり銘柄数は1282と全体の8割近くを占めた。値下がりは311、横ばいは42だった。
業種別株価指数(33業種)は、倉庫・運輸関連業、銀行業、保険業、繊維製品などが上昇。機械、医薬品などが下落した。
個別銘柄では、NTTデータがTOB価格4000円にサヤ寄せする格好で急騰したほか、グループ再編への期待感が先行しNTTも大幅高。また、決算発表が材料視されて花王、味の素も買われたほか、ディスコやアドバンテスト、東京エレクトロン、ルネサスエレクトロニクス、ソシオネクストなど半導体株の一角も買われた。トヨタ自動車やホンダが上昇した。ソフトバンクグループやファーストリテイリングも堅調。三菱UFJフィナンシャル・グループやみずほフィナンシャルグループ、コンコルディアFGが買われ、資生堂、富士電機、バンダイナムコHD、東レなども上昇した。
一方、決算発表がネガティブ視されたダイキンが売り先行となったほか、武田薬品工業、中外製薬、大塚HD、アステラス製薬、第一三共など医薬品関連も引き続き米国関税方針などが重しとなり売られた。このほか、オムロン、JR東海、日本郵船や川崎汽船、ヤマハなどがさえない。後場は、決算内容が嫌気されて三菱重工業や川崎重工業が売り優勢となった。
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