NY株/欧州株概況
3日続伸664ドル高、年内利下げ期待
【市況】3日続伸664ドル高、年内利下げ期待

25日のNYダウ工業株30種平均は大幅に3日続伸し、終値は前日比664ドル18セント(1.42%)高の4万7112ドル45セントだった。同日発表の米指標が米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測を支える内容だったことから、買いが広がった。ダウ平均の上昇幅は一時700ドルを超えた。

25日朝発表の9月の米小売売上高は前月比0.2%増と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(0.3%増)を下回った。9月の米卸売物価指数(PPI)は食品とエネルギーを除くコアが前月比0.1%上昇と、市場予想(0.2%上昇)に届かなかった。

民間雇用サービス会社ADPが朝方発表した民間部門の雇用者数は、今月8日までの4週間で、週当たり平均1万3500人減少と、労働市場の軟化を示唆する内容だった。複数のFRB高官が雇用減速への懸念に言及していることから、市場ではFRBが次回12月の金融政策会合で追加利下げに踏み切るとの観測が持続。買い安心感が広がり、金融などの銘柄が上昇した。
 金融緩和を志向しているとされるホワイトハウスのハセット国家経済会議(NEC)委員長が次期FRB議長に有力との報道を受け、「来年の利下げが進む」(日系証券)との見方が浮上。相場の一段高につながった。

米債券市場では長期金利が低下し、一時は前日比0.04%低い(債券価格は高い)3.98%とおよそ1カ月ぶりの低水準となった。金利の低下も株式相場の追い風となった。

FRBのミラン理事は25日の米FOXビジネスで、「経済はできるだけ早く大幅に利下げすることを求めているだろう」と語った。雇用の一段の減速を懸念しており、インフレの問題はないとの見方を示した。

米ブルームバーグ通信は25日、FRBの次期議長候補として米国家経済会議(NEC)のハセット委員長が有力だと報じた。ベッセント米財務長官は同日の米CNBCの番組で「トランプ大統領がクリスマス前に(FRB議長候補を)発表する確率は非常に高い」と述べた。FRBが米政権の意向をくんだ利下げ路線を取るとの思惑も相場の支えとなった。

個別では、ホーム・デポやメルク、ナイキが高かった。ユナイテッドヘルス・グループやウォルマートも買われた。半面、シェブロンは売られた。

エヌビディアは2.5%下げた。米ネットメディアのジ・インフォメーションは24日、メタプラットフォームズがアルファベット傘下のグーグルの開発する人工知能(AI)半導体を自社データセンターで使う検討をしていると報じた。AI半導体の競争激化への懸念が重荷となった。

ナスダック総合株価指数は3日続伸した。終値は前日比153.586ポイント高の2万3025.591だった。前日に大きく上昇していたことや、エヌビディアの下落を受け午前には1.2%ほど下がる場面があった。ただ、米利下げ観測を支えに次第に買いが優勢となった。

アルファベットは1.5%高、メタは3.7%高で取引を終えた。一方、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やネットフリックスには売りが出た。



 

【シカゴ日本株先物概況】

25日のシカゴ日経平均先物は下落した。12月物は前日比380円安の4万9145円で終えた。同日は日経平均株価が小幅ながら上昇し、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測から米株式相場も上げたものの、シカゴ市場の日経平均先物には売りが優勢となった。






【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

25日の英FTSE100種総合株価指数は上昇し、前日比74.62ポイント(0.78%)高の9609.53で終えた。25日発表された米経済指標で、市場予想を下回る内容が目立った。米国で年内に追加利下げがあり得るとの観測が保たれ、投資家心理を支えた。

リーブス英財務相が26日に秋季予算案を提示するのを前に、関係者の話として、リーブス氏は銀行を増税の対象から外す方針だと伝わった。英ロイズ・バンキング・グループやナットウエスト・グループなど銀行に買いが優勢となった。たばこ株や日用品、資源の関連銘柄に買いが入った。米長期金利の低下につれて英金利が低下し、不動産関連銘柄の買いにつながった。

他方、原油先物の値下がりを受けて英BPなど石油株が下げた。ロンドン原油市場(ICEフューチャーズ)で北海ブレント先物相場は一時1バレル61ドル台へ下げ、約1カ月ぶりの安値をつけた。

FTSEの構成銘柄では、通信大手エアテル・アフリカが6.50%高、ホームセンター大手キングフィッシャーが5.98%高、高級衣料のバーバリーが4.70%高と急伸。一方、保険大手ビーズリーは9.19%安、品質検査会社インターテックは5.71%安、教育・メディア大手ピアソンは2.16%安と売られた。




■ドイツ・フランクフルト株価指数

25日のドイツ株価指数(DAX)は続伸し、前日比225.45ポイント(0.97%)高の2万3464.63で終えた。25日発表された米経済指標では、市場予想より弱めの内容が目立った。米国で12月に追加利下げがあり得るとの期待が保たれ、株式への買いを誘った。

DAXは米経済指標の発表後に上げ幅を広げた。ウクライナでの戦闘終結へ向けた協議が進展するとの観測も根強い。

個別では、セメント大手ハイデルベルク・マテリアルズが6.64%高、自動車部品大手コンチネンタルが3.03%高、商用車大手ダイムラー・トラックが2.97%高と相場をけん引。半面、不動産検索サイト大手スカウト24は2.08%安、電力大手RWEは1.52%安、業務用ソフトウエア大手SAPは1.28%安と下げた。



■フランス・パリ株価指数

欧州株式市場でフランスの株価指数CAC40は反発し、前日比0.83%高で終えた。
 

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