相場概況(前引け)
96円安と続落、米ハイテク株安と円高進行で
東京株式(前引け)=96円安と続落、米ハイテク株安と円高進行で

16日午前の日経平均株価は続落し、午前終値は前日比96円12銭安の3万7659円39銭だった。
前日のNYダウは米長期金利の低下を好感し271ドル高と3日ぶりに反発した。ただ、ハイテク株は軟調でナスダック指数とフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が下落した。
この流れを受けた東京株式市場で、日経平均株価は値を下げスタートした。
 
内閣府が16日朝発表した1〜3月期の国内総生産(GDP)速報値は物価変動の影響を除いた実質の季節調整値が前期比0.2%減、年率換算で0.7%減だった。2024年1〜3月期以来、4四半期ぶりのマイナス成長となり、投資家心理の重荷になった。
為替相場は一時1ドル=144円90銭台と円高基調にあることも売り要因となり、半導体関連銘柄などが安い。日経平均の下げ幅は一時250円を超えた。
 
国内では決算発表が一巡したが、今期(26年3月期)業績の先行きを不安視する見方も多い。市場関係者は「トヨタが通期の想定為替レートを1ドル=145円としたように、今期の為替レートを足元の為替水準並みに設定したケースが目立つ。円高進行時の耐性がなく、業績予想の下方修正リスクなどをはらんでいる点は注意が必要だ」と話していた。
 
日本株は4月中旬以降、急ピッチで株価水準を切り上げてきた。東証プライム市場の値上がり銘柄数を値下がり銘柄数で割った騰落レシオ(25日移動平均)は15日時点で146.54%まで上昇し、「買われすぎ」の目安とされる120%を上回った。短期的な過熱感が意識されやすいことも売りを促した。
 
本日の決算発表銘柄は15時に東映アニメーション、アーレスティ、ヨシタケ、カナデン、引けでフジHDぐらいとピークアウトしたが、証券会社によるレポートなどを材料視した個別物色は続くと考える。後場の日経平均は短期的な過熱感などが意識されて、引き続き軟調推移となりそうだが、為替は1ドル145円台前半と円高ドル安進行は一服。日経平均は3万7600円台水準でのもみ合いとなり、後場一段安は回避されよう。
 

 

東証株価指数(TOPIX)は続落した。前引けは5.16ポイント(0.19%)安の2733.80だった。JPXプライム150指数も続落した。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆1451億円、売買高は9億2272万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は854。値上がりは717、横ばいは57だった。
 
 
業種別では、鉱業、電気機器、サービス、不動産、非鉄金属などが下落した一方、海運、医薬品、繊維、卸売、その他製品などが上昇した。
 
個別銘柄では、米ハイテク株の下げを受けて、ディスコ、アドバンテスト、スクリーンHD、ルネサスエレクトロニクス、東京エレクトロン、レーザーテックなど半導体株が弱い。トヨタ自動車やソニーグループ、リクルートホールディングスが軟調。川崎重工業、古河電工、TOPPANホールディングス、デンソー、コニカミノルタなどが売られた。
またこのほか、三井住友フィナンシャルグループ、りそなHD、第一生命HDなど金融株も軟調推移した。
 
 一方、10−3月期純利益が市場予想を上回ったほか、一部証券会社が投資判断を引き上げたことなどが材料視されてサイバーエージェントが大幅高で年初来高値を更新。また、売上高が材料視されてJ.フロント リテイリングも急騰したほか、大規模な自社株買いが好感されてクレディセゾンが買われた。このほか、高島屋、三越伊勢丹、オークマ、日産自、第一三共などが買われた。サンリオが高く、ディー・エヌ・エーやファーストリテイリングが買われた。


 

戻る
 
サイトTOPへ

株式投資は全て自己責任でお願いします。このサイトの情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。当サイトの掲載事項において損失をされた場合も当方は一切の責任を負いかねます。

(C)ilogos / Eimei.tv