NY株/欧州株概況
反発443ドル高、米労働市場を巡る懸念が後退
【市況】反発443ドル高、米労働市場を巡る懸念が後退

6日のNYダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発し、前日比443ドル13セント高の4万2762ドル87セントで終えた。この日発表の5月の米雇用統計が労働市場の底堅さを示し、雇用悪化を巡る過度な懸念が後退。主力株を中心に買いが入った。貿易問題を巡る米中協議への期待も相場を支えた。
 
米労働省が朝方発表した5月の雇用統計によると、非農業部門の就業者数は前月比13万9000人増と、市場予想と同程度だった。
平均時給も前月比0.4%上昇と市場予想(0.3%上昇)を上回った。失業率は4.2%で市場予想と一致した。
安心感からITや金融など幅広い銘柄が買われた。
市場では米景気に対する先行き不透明感が強まっていた。「労働市場に対する悲観的な雰囲気が漂っていたが、雇用統計を受けて安心感が広がった」との指摘があった。
 
米国と中国の貿易交渉が進展するとの期待も相場を支えた。トランプ氏は6日午後、来週9日にロンドンで米中の閣僚級協議を開くと自身のSNSに投稿した。米国からはベッセント米財務長官、ラトニック米商務長官、米通商代表部(USTR)のグリア代表が出席する。「具体的な内容がまとまるまで、様子を見たい」との声もあった。
 
前日にトランプ米大統領と実業家イーロン・マスク氏の対立を受け急落した米電気自動車(EV)大手テスラは大幅反発した。
トランプ米大統領との批判の応酬がいったん収まった。前日に14%あまり下落したこともあり、見直し買いも入りやすかった。「市場参加者からすれば娯楽のようなもので、長期的なテスラ株の下振れリスクではない」との見方があった。

一方、前日に四半期決算を発表した米半導体大手ブロードコムが、フリーキャッシュフローが投資家の期待に届かなかったことで大きく下落。カナダのスポーツウエア大手ルルレモン・アスレティカも決算発表で業績見通しを下方修正し、急落した。
 
ダウ平均の構成銘柄ではセールスフォースやアマゾン・ドット・コム、アップルが上昇した。シェブロンやメルク、ゴールドマン・サックスも高かった。一方、ホーム・デポとマクドナルドが安かった。
 
ナスダック総合株価指数は反発した。前日比231.505ポイント(1.19%)高の1万9529.953と2月20日以来、約3カ月半ぶりの高値で終えた。
 
S&P500種株価指数も反発した。前日比61.06ポイント(1.02%)高の6000.36と、2月21日以来の高値で終えた。
 

【シカゴ日本株先物概況】
6日のシカゴ日経平均先物は上昇した。6月物は前日比505円高の3万7990円で終えた。この日は米中貿易摩擦の緩和期待を背景に日米株式相場が上昇し、シカゴ市場の日経平均先物にも買いが優勢となった。


シカゴ日経225先物 (円建て)
37990 ( +220 )

シカゴ日経225先物 (ドル建て)
38000 ( +230 )

( )は大阪取引所終値比


 
 





【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
 
6日の英FTSE100種総合株価指数は6日続伸した。終値は前日比26.87ポイント(0.30%)高の8837.91と、最高値をつけた3月3日以来の高値となった。6日発表の5月の米雇用統計を受けて同日の米市場で主要な株価指数が上昇して始まると、英国株にも買いが増えた。
 
FTSEの構成銘柄では、金融大手スタンダード・チャータードが2.91%高、プライベート・エクイティ会社3i(スリーアイ)グループが2.77%高、保険会社ヒスコックスが1.89%高と買われた。一方、防衛大手バブコック・インターナショナル・グループは4.34%安、鉱業大手アングロ・アメリカンは3.34%安、産金大手エンデバー・マイニングは3.10%安となった。


■ドイツ・フランクフルト株価指数
6日のドイツ株価指数(DAX)は4日ぶりに小幅に反落し、前日比19.12ポイント(0.0%)安の2万4304.46で終えた。前日に最高値を更新した後とあって、利益確定などの売りが出た。
 
個別では、ハノーバー再保険が1.72%高、郵便・物流大手ドイツポストが1.24%高、ドイツ取引所が1.06%高と上昇。半面、防衛大手ラインメタルは4.99%安と急落し、関税を巡る米国との交渉に不透明感が根強いことも重荷で、自動車大手フォルクスワーゲン(VW)と高級車メーカーのポルシェもそれぞれ1.72%安、1.46%安で引けた。自動車・自動車部品が下げた。




■フランス・パリ株価指数

フランスの株価指数CAC40は反発し、前日比0.18%高で終えた。金融や仏トタルエナジーズが上昇し、指数を支えた。防衛や消費関連の一部銘柄には売りが出た。


 

戻る
 
サイトTOPへ

株式投資は全て自己責任でお願いします。このサイトの情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。当サイトの掲載事項において損失をされた場合も当方は一切の責任を負いかねます。

(C)ilogos / Eimei.tv