相場概況(前引け)
大幅反発、「高市トレード」再開、投資家心理が改善
東京株式(前引け)=大幅反発、「高市トレード」再開、投資家心理が改善

 
20日午前の日経平均株価は大幅に反発し、午前終値は前週末比1388円25銭高の4万8970円40銭だった。9日に付けた最高値(4万8580円)を上回って推移した。
 
自民党の高市早苗総裁と日本維新の会の吉村洋文代表が20日午後に会談し、連立政権の合意書に署名すると伝わった。
維新は閣外協力となる見通しだが、高市総裁の首相就任がほぼ確実となったと受け止められ、積極的な財政政策による景気押し上げ効果を巡る思惑が改めて広がった。
前週末の米株式市場において、米地銀の信用リスクを巡る懸念が後退し主要株価3指数がそろって上昇したことや、ドル安・円高の一服も手伝って、東京株式市場では主力株に買い戻しが入った。先物へのショートカバーも誘発する形となり、日経平均は強調展開を続けてこの日の高値で前場を終了。ザラ場の最高値を更新し、フシ目の4万9000円に迫った。東証33業種中、値下がりは水産・農林業のみ。プライム銘柄の9割超が値上がりする全面高商状で、景気敏感株の上げが目立った。
 
日本維新の会の吉村洋文代表は20日、自民党と連立政権の樹立で合意する方針を明らかにした。高市総裁と20日18時から会談して正式合意するとも述べた。21日召集の臨時国会で予定される首相指名選挙で、維新は高市総裁に投票する見通し。公明党が連立から離脱し、前週には政局不安から株価が下落したが、高市総裁による財政拡張と金融緩和に期待した「高市トレード」が再開し、株高・円安が進んだ。
 
人工知能(AI)関連銘柄にも投資家の物色が向かった。米グーグルをはじめとするハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)によるAI投資の規模が積み上がっており、関連企業の業績拡大への期待は高い。市場では「足元では国内企業の業績改善期待が高まっており、今月末に本格化する2025年4〜9月期の決算が良好なら、日経平均は11月にも大台の5万円に乗せる可能性がある」との声が聞かれた。20日はソフトバンクグループ(SBG)が大幅高となり、上場来高値を更新した。
 
前週末17日の米株高も投資家心理を支えた。米地銀のフィフス・サード・バンコープが17日に発表した25年7〜9月期決算は、1株当たり利益が市場予想を上回るなど底堅い内容だった。これを受け、前の日に意識された米地銀の信用不安を巡る過度な警戒感が和らぎ、米ダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発した。きょうの東京株式市場でも米地銀株安で前週末に下げが目立っていた三菱UFJやみずほFGなど銀行株の一角に見直し買いが入った。
 
 



 
後場の日経平均株価は、前場の上昇を維持しつつも一段の上値追いには慎重な展開となる見通しである。米国株の好調維持に加えて、為替の円安基調が安定していることが下支え材料と言えよう。ただし、米長期金利の上昇や米中地政学リスクの再燃が重しとなる可能性も残る。需給面では、前場の上昇を受けた利食い売りやポジション調整の動きが後場警戒されるだろう。
 
 
東証株価指数(TOPIX)は反発した。前引けは63.65ポイント(2.01%)高の3234.09だった。JPXプライム150指数も反発した。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆6449億円、売買高は8億3361万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1483。値下がりは107、横ばいは24だった。
 
業種別では、東証33業種のうち水産・農林業以外のすべてが上昇する展開となった。なかでもゴム製品、電気機器、情報・通信業などの上げが目立ち、銀行業や証券・商品先物取引業などもプラスとなっており、幅広いセクターに買いが波及している。
 
個別銘柄では、ソフトバンクグループが売買代金首位で大幅高。キオクシアホールディングスと安川電機が値を飛ばし、レーザーテックやアドバンテストが頑強。ファナックやみずほフィナンシャルグループ、リクルート、トヨタが買われ、アステリアや古野電気、ANYCOLORが急伸した。
 
半面、JX金属、住友金属鉱山、DOWAホールディングスが軟調。良品計画とアスクルが値を下げ、アンビスホールディングスが一時ストップ安となった。ルネサスエレクトロニクスが下落した。
 

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