相場概況(前引け)
105円高と反発 円安基調や地政学リスクの後退で
東京株式(前引け)=105円高と反発 円安基調や地政学リスクの後退で

 
12日午前の日経平均株価は反発し、午前終値は前日比105円72銭高の3万6898円83銭だった。
 
きょう前場は強弱観対立のなか、日経平均は狭いレンジでのもみ合いとなったがプラス圏で推移する時間が長かった。結局、日経平均は100円あまりの上昇で前場の取引を終えたが、TOPIXの上昇率が相対的に大きくなっている。前日の米国株市場でNYダウが大幅続落したことで警戒感が漂ったものの、ウクライナとロシアの戦争において米国が示した30日間の停戦案をウクライナが受け入れたことが報じられており、これが買いの拠りどころとなっている。個別には防衛関連株が買い直され全体相場の押し上げに寄与した。
 
外国為替市場で円相場が一時1ドル=148円台に下落した。円安・ドル高の進行を手がかりに、海外短期筋などが株価指数先物に断続的に買いを入れたとみられ、先物主導で上昇した。
 
米国とウクライナの両政府は11日、ロシアによるウクライナ侵略について、米国が提示した30日間の停戦案をウクライナが受け入れたと発表した。米国とウクライナを巡っては2月28日に開かれた両国の首脳会談で、首脳らが激しい口論となり決裂。その後、トランプ米大統領がウクライナへの武器供与の一時停止を指示するなど、懸念が強まっていただけに、地政学リスクが和らいだとの見方は株買いを後押しした。
 
ただ、日経平均は前日の米株安を受けて朝方は下落して始まり、その後も下げに転じる場面があった。トランプ米政権は12日、鉄鋼・アルミニウム関連の輸入品に25%の追加関税を発動する方針。日本は追加関税の適用除外を申し入れたが、除外に向けた言質は得られなかったという。4月2日には米国が自動車関税や相互関税の全容を公表するとみられる。自動車関税は日本企業への影響が大きく、関税政策の動向を見極めたいとの雰囲気も強かった。
 
投資家の心理状態を示す日経VIは28ポイント前後で推移しており、日経平均が小動きな割にはさほど下落していない。週末に3月限先物・オプション特別清算指数(SQ値)算出を控えていることも影響してか、警戒感は払しょくされていない様子。後場の日経平均も前場同様、小動き推移が続くと考える。
 
 
 
 
東証株価指数(TOPIX)は反発した。前引けは25.14ポイント(0.94%)高の2695.86だった。JPXプライム150指数も反発した。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆1260億円、売買高は8億8285万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1043。値下がりは526、横ばいは69だった。
 
業種別では、銀行、保険、非鉄金属、証券・商品先物、電気・ガスなどが上昇した一方、海運、パルプ・紙、空運、陸運、不動産などが下落した。
 
 
個別では、子会社が消費者金融事業で堅調と報じられたラインヤフーが昨年来高値を更新したほか、増配予想の発表と証券会社によるポジティブなレポートが材料視されたコンコルディアも上昇。三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも高い。また、防衛システム事業の業容拡大が伝わった三菱電機も買われ、三菱重工業、川崎重工業、日本製鋼所など前日売られた防衛関連の一角も上昇した。このほか、サンリオが買われ、良品計画、しずおかFG、ソニーグループ、スクリーンHD、住友電工などが買われた。
 
一方、レーザーテック、アドバンテスト、ソシオネクスト、SUMCOなど半導体株の一角が下落した。ソフトバンクグループも冴えない。また、三井ハイテックが急落、横河電機、あおぞら銀行など前日買われた銘柄が反落。このほか、SUBARU、住友重機械工業、セイコーエプソン、オリエンタルランド、ミネベアミツミなどが売られた。

 

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