相場概況(大引け)
539円高、米株高に追随しリスクオン続く
東京株式(大引け)=539円高、米株高に追随しリスクオン続く
【大引け概況】

13日の日経平均株価は4日続伸し、終値は前日比539円00銭高の3万8183円26銭だった。2月27日以来、およそ2カ月半ぶりの高値。
 
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朝方から主力株中心に投資資金が流入し日経平均が続急伸、上げ幅は一時800円を超える場面があった。米中間の関税協議の進展を背景に前日の米国株市場ではNYダウが1100ドルを超える大幅高となったほか、ナスダック総合株価指数は4%を超える急騰で上昇率はダウを上回った。米株高に加え、朝方はドル・円相場も1ドル=148円台まで円安が進んでおり追い風材料となった。
日経平均は朝方に800円超の大幅高で3万8000円大台ラインを突破した。ただ、朝高後は短期筋の利益確定売りが上値を押さえる展開に。3万8500円近辺で弾き返され、その後は3万8000円台前半でもみ合う展開に移行した。もっとも主力株の一角が買われたものの、利食われる銘柄も相次ぎ、大引け時点では値下がり銘柄数が値上がり数を上回った。売買代金は6兆円台と高水準。
 
12日発表の米中合意では米国は14日までに累計145%の追加関税を30%に、中国は同125%の追加関税を10%にそれぞれ引き下げる。米中貿易摩擦による世界の景気悪化懸念が後退し、12日の米株式相場は大幅に上昇した。
東京株式市場でも中国関連銘柄に位置付けられる安川電とファナックが大きく上昇。トヨタや三菱UFJを含む、時価総額が大きい大型株で構成される「TOPIXコア30」の上昇率が目立ち、海外投資家が大型株に買いを入れた。トランプ米大統領が薬価引き下げの大統領令に署名すると表明したことで12日に大きく下落した第一三共など医薬品も軒並み反発した。
 
買い一巡後の日経平均の上値は重かった。13日の国内債券市場で長期金利は一時、1.465%と相互関税の詳細発表前の4月2日以来およそ1カ月ぶりの高水準をつけた。金利上昇が業績の重荷となる不動産や建設では下げる銘柄が目立った。日経平均は4月後半から上昇基調にあり、高値圏では利益確定目的の売りも出やすかった。トランプ米政権の関税政策の影響が顕在化するとみられる4月の米消費者物価指数(CPI)が13日に公表となるのを前に様子見姿勢も強まった。
 
市場関係者は今回の米中関税の引き下げ合意で「いったんポジティブな材料が出尽くした」と話す。7月に迫る相互関税の上乗せ税率の延長期限や、8月の米中の追加関税の引き下げ終了期限を前に「米中の関税などを巡るにらみ合いはしばらく続きそう。楽観的な見方から株価が上値を追う局面はそろそろ終わりを迎える」との見方も示した。
 
 
東証株価指数(TOPIX)は13日続伸した。終値は30.06ポイント(1.10%)高の2772.14だった。13日続伸となるのは2009年8月以来、およそ15年9カ月ぶり。JPXプライム150指数は3日続伸し、15.19ポイント(1.25%)高の1225.92で終えた。
 
東証プライムの売買代金は概算で6兆169億円、売買高は24億9172万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は734。値下がりは849、横ばいは50だった。
 
業種別株価指数(33業種)は海運業、非鉄金属、輸送用機器などが上昇。下落は、電気・ガス業、水産・農林業、建設業など。
 
個別では、米中通商交渉の進展を材料に、安川電機、SMC、ファナックなど中国関連銘柄が買われたほか、米アップル新機種値上げ観測報道を受けて、太陽誘電、日東電工も上昇。売買代金トップとなった川崎重工業が高く、ディスコが堅調、東京エレクトロン、ソシオネクスト、デンカなどが上昇した。また、商船三井、川崎汽船など海運株も買われた。三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループなどメガバンクも上昇した。任天堂が堅調、リクルートホールディングスが大きく買われ、商船三井も人気となった。ミマキエンジニアリングが値上がり率トップ、三井E&Sも急騰した。楽天銀行、高周波熱錬、日新はストップ高。市場予想を上回る今期純利益予想を発表した古河電気工業も一時値幅制限いっぱいに買われた。
 
半面、フジクラが利食われ、三菱重工業も冴えない。アドバンテストも利益確定売りが表面化し値を下げた。ディー・エヌ・エーも軟調、住友ファーマの下げも目立つ。経営成績などに著しい影響を与える事象があると発表したシャープは大幅安となった。AZ−COM丸和ホールディングスが値下がり率トップに売り込まれ、MIRARTHホールディングス、シャープも急落した。京王電鉄、不二製油も大幅安。また、円安が進行したことでニトリHD、ニチレイ、アサヒグループHDなど円高メリット銘柄も売られた。このほか、大林組、清水建設、大成建設、鹿島建設など建設株がさえない。後場入り後、今期減益見通しを発表したフジクラは急落となった。


 

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