相場概況(大引け)
378円高と7日続伸、円安と米中交渉進展期待で
東京株式(大引け)=378円高と7日続伸、円安と米中交渉進展期待で
【大引け概況】


2日の日経平均株価は7日続伸し、終値は前日比378円39銭高の3万6830円69銭だった。7日続伸は2023年8月28日〜9月6日の8日続伸以来、1年8カ月ぶりの長さ。

 
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前日の米株式市場では、NYダウは主力ハイテク株などが買われ83ドル高と8日続伸した。為替相場も円安が進行したことが好感され、日経平均株価は上昇してスタート。
午前9時過ぎに1ドル=145円90銭台まで円安が進行するなか、自動車株や精密機器など輸出関連株が上昇。日経平均株価の上昇幅は一時500円を超え3万6970円台まで値を上げる場面があった。
しかし、心理的な節目である3万7000円ラインに接近すると利益確定売りが優勢となった。この日の早朝に日米の第2回関税交渉が開かれ、赤沢亮正経済財政・再生相は「為替や安全保障は議論にならなかった」と述べたが、同交渉を通過したことで市場に安心感が広がった。東京株式市場は、ゴールデンウィーク中で明日から4連休となるほか、今晩は米4月雇用統計が発表されることから、後場に入りやや様子見姿勢も強まった。前日の日銀金融政策決定会合を経て追加利上げ観測が後退した銀行株は下落した。
 
日本政府内で6月の主要7カ国首脳会議(G7サミット)に合わせて日米関税交渉の大枠での合意をめざすシナリオも浮上しており、市場の関心が高かった第2回会合を波乱なく通過したとの受け止めは買い安心感につながった。中国商務省は2日、米国が関税交渉を求めて中国側に複数回接触してきたと明かし「評価を進めている」と報道官談話で表明した。米中貿易摩擦が緩和方向に向かうとの期待も株買いを後押しした。
 
テクニカル分析上では3月後半以降の急落相場でチャート上に空けた5つの「窓」のうち3つ目の窓まで埋めた。きょうの上昇で、3月31日の高値(3万6440円)と同28日の安値(3万6864円)との間にできた窓埋めを達成した格好だ。戻り相場では窓埋めが早ければ早いほど、売り方の買い戻しが活発化するため、想定以上の上昇になりやすい点も株高に弾みをつけた。
 
ただ、前日までの6日続伸で日経平均は2200円あまり上昇しており、買い一巡後は売りに押された。日本は明日からゴールデンウィークの大型連休に入るとあって、持ち高調整目的の売りも出やすく、節目の3万7000円付近では上値の重さが目立った。

 


東証株価指数(TOPIX)は8日続伸した。8日続伸は23年12月29日〜24年1月15日以来の長さ。終値は8.34ポイント(0.31%)高の2687.78だった。JPXプライム150指数も8日続伸し、9.02ポイント(0.76%)高の1194.67で終えた。
 
東証プライムの売買代金は概算で4兆7505億円、売買高は19億7112万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は817。値下がりは766、横ばいは52だった。
 
業種別株価指数(33業種)は精密機器や医薬品、化学、輸送用機器などが上昇。銀行業や卸売業などは下落した。
 
個別銘柄では、大塚HDが8日続伸したほか、トヨタ自動車やホンダ、スズキが高く、任天堂は7日続伸で連日の上場来高値更新。今期営業利益が前期比2.8倍になる見通しと発表したヤマトHDは年初来高値を更新した。ソニーグループ、キーエンス、信越化学工業が買われた。ファーストリテイリングやキーエンス、サンリオが上昇。HOYAやダイキン工業、アシックスが値を上げた。
このほか、住友ファーマ、ダイキン、ZOZO、オリンパス、コマツなどが買われた。11時に自社株取得枠を従来の300億円から700億円に拡大すると発表した丸紅は切り返すも上値は重くなった。
 
一方、ディスコ、東京エレクトロン、ルネサスエレクトロニクスが安く、三菱重工業や川崎重工業が軟調。伊藤忠商事や三菱商事が値を下げた。年内利上げ見送り観測を受けて、三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループが売られ、りそなHD、しずおかFG、ふくおかFG、千葉銀行など銀行株が引き続き弱い。また、決算内容が嫌気されてセイコーエプソンも売り優勢となった。このほか、日本製鋼所、古河電工、太陽誘電などが下落した。後場は、決算を発表した伊藤忠、三菱商事が売られた。フジ・メディア・ホールディングスやオリックスも下落した。



 

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