NY株/欧州株概況
119ドル安、米中貿易協議前に持ち高調整
【市況】119ドル安、米中貿易協議前に持ち高調整

9日のNYダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落し、前日比119ドル07セント(0.28%)安の4万1249ドル38セントで終えた。
週間では68ドル安と、3週間ぶりに下落した。
 
トランプ米大統領はこの日、SNSに「対中関税は80%が正しそうだ」と投稿し、追加関税率の引き下げを示唆した。10、11両日にスイスで開かれる米中協議で通商摩擦が緩和に向かうとの期待感を背景に、ダウは上昇して取引が始まった。
ただ、協議内容を見極めたいとの思惑から売り買いが交錯。市場では「仮に80%に下がっても(中国製品は)禁輸状態と変わらない」との懸念も広がり、引けにかけて下げ幅が拡大した。

前日に米国と英国が貿易協定を締結することに合意したと発表した。トランプ米大統領は9日、自身のSNSに「多くの貿易協定を準備中だ。どれも素晴らしい!」と投稿した。貿易交渉の進展期待は引き続き相場を下支えしているものの、ダウ平均は4月8日の直近安値から前日までに1割ほど水準を切り上げた後で、9日は株売りが優勢となった。

米国と中国は10日からスイスで貿易問題を巡る協議を始める。トランプ氏は9日のSNSへの投稿で、中国からの輸入品にかける累計145%の追加関税について「80%がよさそうだ」と表明した。大幅に引き下げる可能性があるものの、なお高い水準となる。「スコット(ベッセント米財務長官)次第だ」とも加えた。レビット米大統領報道官は、トランプ氏は具体的な数字を明らかにしたが、引き下げには中国側からの対応が必要になると説明している。

市場では米中協議について「貿易摩擦を和らげるような協定を結ぶ見通しになれば、株式相場は上昇する」との見方がある。一方で、協議が物別れに終われば、米中摩擦への警戒が再び高まる可能性がある。協議の結果を見極めたい雰囲気が強かった。

ダウ平均の構成銘柄では、アムジェンやメルクといった製薬株が下げた。セールスフォースやIBMにも売りが出た。半面、ボーイングとシェブロンが上げた。

ナスダック総合株価指数は小幅ながら3日続伸した。前日比0.777ポイント高の1万7928.916(速報値)で終えた。テスラが4.7%高で終えた。一方、メタプラットフォームズなどが安かった。
 
 
NYダウ    41249.38 ( -119.07 )

S&P500    5659.91 ( -4.03 )
NASDAQ  17928.92 ( +0.78 )
米10年債利回り  4.383 ( +0.006 )

NY(WTI)原油   61.02 ( +1.11 )
NY金      3344.0 ( +38.0 )
VIX指数    21.90 ( -0.58 )

 



【シカゴ日本株先物概況】
9日のシカゴ日経平均先物は横ばいとなった。6月物は前日と同じ3万7470円で終えた。同日の米株式相場が下落した一方で、日経平均株価が上昇し、シカゴ市場の日経平均先物は方向感なく推移した。
 
 
シカゴ日経225先物 (円建て)
37470 ( -50 )

シカゴ日経225先物 (ドル建て) 37530 ( +10 )

( )は大阪取引所終値比
 
 






【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
 
9日の英FTSE100種総合株価指数は3日ぶりに反発し、前日比23.19ポイント(0.27%)高の8554.80で終えた。指数への寄与度が大きいエネルギー株が上昇した。関税を巡り、米国と貿易相手の協議が進むとの期待も投資家心理を支えた。

石油大手英BPに買いが集まった。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が9日に関係者の話として、同業の英シェルや米シェブロンといった複数の同業他社がBP買収を視野に数字を検討していると報じた。英シェルも上昇した。製薬などヘルスケアや、資源の関連銘柄に買いが優勢だった。

ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)などを傘下に持つ英インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)も上昇。同社は9日、2025年1〜3月期決算が増収となったのとあわせて、欧州エアバスと米ボーイングに航空機を計53機発注したと公表した。一方でたばこ株が下落。英BAEシステムズなど航空・防衛関連の一角が売られた。
 
FTSEの構成銘柄では、石油大手BPが4.73%高、通信大手エアテル・アフリカが4.42%高、食品・小売り大手アソシエーテッド・ブリティッシュ・フーズが4.14%高と相場をけん引。一方、航空・防衛大手BAEシステムズは3.32%安、たばこ大手ブリティッシュ・アメリカン・タバコは3.21%安、不動産サイト大手ライトムーブは2.39%安となった。







■ドイツ・フランクフルト株価指数
 
9日のドイツ株価指数(DAX)は続伸した。終値は前日比146.63ポイント(0.62%)高の2万3499.32と3月6日以来、約2カ月ぶりに最高値を更新した。8日に米英両政府が貿易協定の締結で合意したのをきっかけに、米国と中国など他国の間でも協議が進むとの期待が広がった。
 
個別では、9日公表した2025年1〜3月期決算で純利益が市場予想を上回ったコメルツ銀行が4.36%高、製薬大手バイエルが2.67%高、商用車大手ダイムラー・トラックが2.49%高と買われた半面、保険大手アリアンツは2.69%安、分子診断大手キアゲンは1.14%安、航空機エンジン大手MTUエアロ・エンジンズは1.04%安で取引を終えた。




■フランス・パリ株価指数

フランスの株価指数CAC40は続伸し、前日比0.64%高で終えた。欧州主要600社の株価指数であるストックス600も続伸し537.96と4月1日以来の高値で終えた。




 

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