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【市況】260ドル高と反発、米利下げを好感 |
17日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比260ドル42セント高の4万6018ドル32セントで終えた。
米連邦準備理事会(FRB)はこの日、政策金利を0.25%引き下げることを決めたほか、年内の残り2会合でも利下げする想定を示した。市場は当初これに買いで反応し、ダウ平均は急上昇した。
ただ、その後は今後の利下げペースを巡り「(FRB内で)意見が割れている」(日系証券)との受け止めが徐々に広がったほか、金融政策会合後のパウエルFRB議長が記者会見で今後の利下げを急がない姿勢を示したことで、ダウは急落。一時マイナス圏に沈んだが、取引終盤にかけて買い戻された。
あわせて公表したFOMC参加者らの政策金利見通し(ドットチャート)で、2025年末の中央値は年内に0.25%の追加利下げ2回を示す水準となった。前回の6月時点では今回を含めて2回の見通しだった。
FOMCの結果公表後にダウ平均は一時500ドルあまり上昇した。その後は上げ幅を縮め、小幅に下落する場面があった。ドットチャートの中央値は年内の利下げ継続を示唆したものの、各参加者の予想にはばらつきがあった。パウエルFRB議長は記者会見で今回の決定について、「リスク管理のための利下げだ」と説明した。FRBが今後の利下げに慎重と市場の一部で受け止められた。
市場では「今回のFRBの決定は大方の投資家が織り込んでいた内容で特段の驚きはない」との指摘もあった。
ダウ平均の構成銘柄では、アメリカン・エキスプレスやキャタピラー、ビザが上昇した。半面、エヌビディアが下落した。中国当局が同国のハイテク企業に対し、エヌビディア製の人工知能(AI)向け半導体の購入を禁じたと英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じたことが材料視された。アマゾン・ドット・コムも下げた。
ナスダック総合株価指数は続落した。前日比72.633ポイント(0.32%)安の2万2261.326で終えた。半導体のブロードコムやデータ分析プラットフォームのパランティア・テクノロジーズが下げた。
【シカゴ日本株先物概況】
17日のシカゴ日経平均先物は上昇した。12月物は前日比70円高の4万4575円で終えた。この日は米ダウ工業株30種平均が上昇したのもあって、シカゴ市場の日経平均先物には買いがやや優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
44575 ( -35 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
44660 ( +50 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
17日の英FTSE100種総合株価指数は小幅ながら4営業日ぶりに反発し、前日比12.71ポイント(0.13%)高の9208.37で終えた。英国時間の17日午後から18日には米国と英国で、それぞれ金融政策が発表される。投資家が様子見姿勢を強めるなかでFTSE100種指数は伸び悩む場面もあり、相場は明確な方向感に乏しかった。
不動産投資信託(REIT)や住宅建設のほか、英HSBCホールディングスといった金融株に買いが優勢だった。製薬の英アストラゼネカなどヘルスケア関連や公益、小売り株に買いが入った。半面、英アングロ・アメリカンをはじめ資源関連や石油株に売りが出た。防衛大手の英BAEシステムズといった資本財の一角が下げた。
FTSEの構成銘柄では、流通大手マークス&スペンサーが4.19%高、エネルギー小売り大手セントリカが3.58%高、飲料大手コカ・コーラ・ユーロパシフィック・パートナーズが3.27%高と大きく買われた。他方、産金大手フレスニロは2.50%安、鉱業大手アングロ・アメリカンは2.25%安、航空・防衛大手BAEシステムズは2.05%安となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
17日のドイツ株価指数(DAX)は小幅に反発し、前日比29.94ポイント(0.12%)高の2万3359.18で終えた。同日午後に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表とパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見を控え、持ち高調整や利益確定を目的とした買いと売りが交錯した。
DAXの構成銘柄ではないが、スポーツ用品のプーマ株が前日比16.8%高と急伸した。有力投資家が、フランスのピノー家が保有するプーマ株の取得を準備しているとドイツメディアが報じたと伝わった。
個別では、業務用ソフトウエア大手SAPが3.20%高、自動車部品大手コンチネンタルが1.90%高、スポーツ用品大手アディダスが1.74%高と上伸。半面、コメルツ銀行は2.77%安、エネルギー大手シーメンス・エナジーは2.17%安、自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は0.86%安で取引を終えた。
■フランス・パリ株価指数
欧州株式市場でフランスの株価指数CAC40は続落し、前日比0.39%安で終えた。
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