相場概況(前引け)
117円高と続伸 米株高と円安進行で、上値は重い
東京株式(前引け)=117円高と続伸 米株高と円安進行で、上値は重い

 
10日午前の日経平均株価は続伸し、午前終値は前日比117円09銭高の3万9395円05銭だった。
 
前日の米株高や外国為替市場でのドル高・円安を背景に朝方は大きく買いが先行したが、その後に日経平均は伸び悩む展開を強いられた。一部の日経平均寄与度の高い銘柄に買いが入り、指数押し上げ効果をもたらしている。ただ、個別には利益確定の動きが目立ち、値下がり銘柄数が1000を超えるなど値上がり数を大幅に上回っており、マーケットのセンチメントはむしろ弱気優勢となっている。
米経済のソフトランディング(軟着陸)期待の高まりを背景に、前日の米株式市場で主要3指数がそろって上昇した流れを引き継いだ。外国為替市場における円相場の下落も追い風となり、幅広い銘柄に買いが先行した。日経平均の上げ幅は一時300円を超えたが、上値では売りも目立った。
 
日米の長期金利の上昇を背景に外国為替市場で円相場が1ドル=149円台と、前日夕時点に比べて円安・ドル高基調で推移している。主力の輸出関連株の一角には採算改善を見込んだ買いが入り、相場全体を押し上げた。
 
海外短期筋などが株価指数先物に断続的に買いを入れた場面では先物主導で上げ幅を広げたが、その後は上値の重さが目立った。日経平均は最近のレンジの上限近辺にあり、心理的節目の4万円も意識される水準とあって、上値では利益確定売りや戻り待ちの売りに押されやすかった。
 
中国市場は、香港ハンセン指数が上昇している一方、上海総合指数が下落とまちまち。為替の円安基調も一服していることなどから、後場の東京株式市場は前日同様、中国市場にらみの様子見ムードが強い地合いとなりそうだ。日経平均は前日比マイナス圏入りする可能性はあるが、目立った売り材料にも乏しいことから下げ足を強めるような弱い展開は回避されよう。
 



 

東証株価指数(TOPIX)は続伸した。前引けは5.84ポイント(0.22%)高の2713.08だった。JPXプライム150指数も続伸した。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆7903億円、売買高は7億7188万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は517。値下がりは1069、横ばいは58だった。
 
業種別では、ゴム製品、銀行業、輸送用機器、保険業、医薬品などが上昇した一方、小売業、その他製品、繊維製品、サービス業、金属製品などが下落した。
 
個別では売買代金上位の銘柄に値を下げるものが多い。レーザーテックやディスコなどの半導体製造装置関連が軟調なほか、川崎重工、三菱重工業、IHI、日本製鋼所など防衛関連銘柄も弱い。三菱重も売りに押された。24年3-8月期純利益が前年同期比76%減と発表したイオンは大幅安となったほか、資生堂、ファナックなど中国関連銘柄の一角もさえない。このほか、ラウンドワンが急落、ミガロホールディングスも大幅安。TOPPANホールディングス、フジクラ、NEC、中外製薬などが売られた。
 
半面、為替が1ドル149円台に乗せていることなどから、スズキ、SUBARU、ホンダ、日産自、マツダなど自動車関連銘柄の一角が買われたほか、J.フロント リテイリングはポジティブな証券会社のレポートが材料視されて上昇。ソフトバンクグループ(SBG)が商いを伴い高く、ファーストリテイリングもしっかり。ライオンが急伸をみせ、三光合成も大幅高。も物色人気となった。このほか、ニコン、リコー、クボタ、リソー教育などが買われた。
 

 

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