NY株/欧州株概況
35ドル高、貿易交渉の進展期待が支え
【市況】35ドル高、貿易交渉の進展期待が支え

2日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸し、前週末比35ドル41セント高の4万2305ドル48セントで終えた。
ダウ平均は400ドルあまり下げる場面があった。
 
米政権は2日、トランプ大統領と中国の習近平国家主席の電話会談が今週にも行われると明らかにした。中国がレアアース(希土類)など重要鉱物の輸出規制を続けていることに、米側は反発。両首脳の会談で打開の余地を探るとみられる。
 ただ、米国と中国などとの貿易交渉を巡る先行き不透明感は相場の重荷となっている。トランプ氏は5月30日、米国が輸入する鉄鋼・アルミニウムに課す追加関税を現行の2倍となる50%に引き上げる意向を表明。関税の引き上げ方針を受けて、この日はニューコア、クリーブランド・クリフスなどの鉄鋼関連銘柄が大幅高となった。一方で、ゼネラル・モーターズ(GM)やフォードは下げた。
 半導体株は堅調で、エヌビディアは2%超高。アドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD)やインテルなども上昇した。
 
レビット米大統領報道官は2日、「トランプ米大統領と中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席が週内にも協議する可能性が高い」と述べた。一部の中国製品に対する関税の適用停止の期間を延長したとも伝わった。トランプ氏が前週に中国が合意を破っていると主張したことで強まった米中の貿易摩擦への過度な警戒が後退した。
 
ロイター通信は2日、米政権が貿易相手に4日までに交渉に関する最善の提案を提出するように求めていると報じた。貿易相手との交渉が加速するとの観測から、株買いにつながった面もある。
 
トランプ氏は5月30日、鉄鋼・アルミニウム製品の関税を引き上げる考えを明らかにした。これに対し、欧州連合(EU)は報復措置を取ることを示唆した。米関税政策を巡る貿易摩擦が米経済の下押しにつながるとの懸念は根強い。
 
米サプライマネジメント協会(ISM)が2日発表した5月の製造業景況感指数は48.5と前月(48.7)から低下した。好不況の分かれ目である50割れが続いた。個別項目では、「輸入」や「在庫」の落ち込みが目立った。米政権の関税政策の不透明感から景況感が悪化しており、株価の重荷となった面がある。
 
ダウ平均の構成銘柄では、エヌビディアやIBM、アマゾン・ドット・コムが上昇した。アナリストが投資判断を引き上げたボーイングも買われた。一方、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)やスリーエム(3M)、キャタピラーが下げた。
 
ナスダック総合株価指数は反発した。前週末比128.846ポイント(0.67%)高の1万9242.613(速報値)と、2月下旬以来の高値で終えた。メタプラットフォームズが買われた。ブロードコムなどの半導体株も上昇した。
 

【シカゴ日本株先物概況】

2日のシカゴ日経平均先物は上昇した。6月物は前週末比100円高の3万7805円で終えた。この日は米中の貿易交渉が進展するとの期待感から米株式相場が上昇し、シカゴ市場の日経平均先物にも買いが優勢となった。

 
シカゴ日経225先物 (円建て)
 37805 ( +315 )

シカゴ日経225先物 (ドル建て)
37825 ( +335 )

( )は大阪取引所終値比
 






【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
 
2日の英FTSE100種総合株価指数は横ばい圏となり、終値は前週末比1.88ポイント(0.02%)高の8774.26だった。英BAEシステムズやロールス・ロイス・ホールディングスといった防衛関連に買いが優勢だった。原油先物相場の上昇を背景としたエネルギー株への買いも指数を支えた。
 
一方で、米中貿易摩擦が激しさを増せば世界景気に悪影響が及ぶとの警戒感は根強い。2日の米市場でダウ工業株30種平均が下げ幅を広げる場面があり、FTSE100種指数の上値を抑えた。外国為替市場でのポンド高・ドル安進行も背景に、建機・産業機器レンタルのアシュテッド・グループや日用品の英ユニリーバなどが下げた。
 
英政権による防衛力強化へ向けた施策が、関連産業を支えるとの見方が防衛関連株の買いを誘った。英政府は2日までに軍需工場の新設や潜水艦の建造など、防衛関連の投資を進める方針を提示。スターマー英首相は2日、「我々は戦闘準備態勢への移行を進めている」などと述べた。
 
FTSEの構成銘柄では、防衛大手バブコック・インターナショナル・グループが8.23%高、産金大手エンデバー・マイニングが6.84%高、同業フレスニロが6.02%高と大きく上昇。他方、建機レンタルのアシュテッド・グループは4.08%安、広告大手WPPは2.87%安、住宅大手テイラー・ウィンペイは2.17%安となった。
 



■ドイツ・フランクフルト株価指数
 
2日のドイツ株価指数(DAX)は反落し、前週末比66.81ポイント(0.27%)安の2万3930.67で終えた。米関税政策の影響が、米国や世界の経済を下押しするとの警戒感が根強い。貿易を巡る米中間の緊張感が再び高まりかねないとの懸念も背景に、投資家が慎重姿勢を強めた。
 
個別では、通販大手ザランドが2.77%高、ヘルスケア大手フレゼニウスが1.97%高、エネルギー大手シーメンス・エナジーが1.94%高と買われた半面、防衛大手ラインメタルは3.50%安、商用車大手ダイムラー・トラックは3.48%安、医療機器のザルトリウスは2.84%安と下落した。



■フランス・パリ株価指数

フランスの株価指数CAC40は5日続落し、前週末比0.18%安で終えた。



 

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