NY株/欧州株概況
3日続落29ドル安、年間では13%上昇
【市況】3日続落29ドル安、年間では13%上昇

12月31日のNYダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比29ドル51セント(0.06%)安の4万2544ドル22セントで終えた。
 
この日は年末年始で休みを取る市場参加者も多かった上、米経済指標の発表もなかったことから、薄商いだった。これまで相場をけん引してきた電気自動車(EV)大手テスラや半導体大手エヌビディアなどに利益確定の売りが出た。
24年は生成AIブームに伴い半導体需要が底堅く推移するとの観測からエヌビディアなど関連銘柄が大きく値を上げた。共和党のトランプ前大統領の返り咲きが決まった11月以降、規制緩和が進むとの期待が膨らみ金融株なども買われ、ダウは終値として初めて4万5000ドルの大台を突破。ナスダックも高値圏で推移した。
 
米債券市場で長期金利が前日比0.04%高い4.57%で終え、株式の相対的な割高感が意識された。米連邦準備理事会(FRB)が来年の利下げペースを緩やかにする見通しで、トランプ次期政権の政策がインフレや財政悪化につながる可能性もある。長期金利の先高観や金利高止まりへの警戒感がハイテク株などへの利益確定売りを誘った。

米株式には買いが先行し、ダウ平均は200ドルあまり上げる場面があった。前日までの2営業日で752ドル下げており、自律反発を期待した買いが入った。主要株価指数の2024年の上昇率が軒並み2ケタとなるなか、今年逆行安となった銘柄の一部に見直し買いが入った。

ダウ平均ではエヌビディアの下げが目立った。アマゾン・ドット・コムやマイクロソフト、アップル、セールスフォースも安い。一方、ナイキやメルク、シェブロンが買われた。

ダウ平均は2年連続で上昇し、昨年末比では4854ドル(12.88%)高で終えた。インフレ鈍化を受けてFRBは9月に4年半ぶりに利下げした。米景気が底堅さを維持したことで株高が続いた。11月の米大統領選挙後には一段高となり、12月上旬にかけて断続的に最高値を更新した。5月中旬には初めて4万ドルを突破していた。

個別銘柄では11月にダウ平均に加わったエヌビディアが年間で2.7倍に上昇した。続いてウォルマートが72%高、アメリカン・エキスプレスが58%高、ゴールドマン・サックスが48%高となった。半面、ボーイングが32%、ナイキが30%、アムジェンが9%あまり下落した。

ナスダック総合株価指数は4日続落した。前日比175.993ポイント(0.90%)安の1万9310.792(速報値)で終えた。テスラやブロードコムなどの半導体株が売られた。年間では2年連続で上げ、28.64%上昇した。12月には一時、節目の2万を上回った。

S&P500種株価指数は4日続落し、前日比25.31ポイント(0.42%)安の5881.63(速報値)で終えた。24年年間では23.30%上げ、2年連続で上昇した。指数構成銘柄の年間の上昇率首位はパランティア・テクノロジーズで4.4倍、2位は電力のヴィストラで3.6倍、3位がエヌビディアだった。
 
 
NYダウ    42544.22 ( -29.51 )
S&P500    5881.63 ( -25.31 )
NASDAQ  19310.79 ( -175.99 )
米10年債利回り  4.572 ( +0.033 )

NY(WTI)原油   71.72 ( +0.73 )
NY金      2641.0 ( +22.9 )
VIX指数    17.35 ( -0.05 )
 
 

【シカゴ日本株先物概況】
12月31日のシカゴ日経平均先物は下落した。2025年3月物は前日比45円安の3万9390円で終えた。
NYダウ平均は、手掛かり材料に欠ける中、利食い売りが先行し、3営業日続落した。
米長期金利の上昇が重荷となり同日の米株式相場が下落。日経平均先物にも売りが波及した。
 
 
シカゴ日経225先物 (円建て)
39390 ( -600 )

シカゴ日経225先物 (ドル建て)
39485 ( -505 )
 
( )は大阪取引所終値比
 







【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
 
12月31日の英FTSE100種総合株価指数は反発し、前日比52.01ポイント(0.64%)高の8173.02で終えた。指数への寄与度が大きい英シェルなどエネルギー株が買われ、指数を押し上げた。英国時間31日午前の取引で米株価指数先物が上昇したのも、投資家心理を支えた。FTSE100種指数は、年末時点の水準として最高を更新した。

年末時点で比べると、2024年まで4年連続の上昇となった。年間上昇率は24年が5.6%と、23年の3.7%から拡大した。

中型株で構成するFTSE250種株価指数は31日、前日比1.06%高の2万0622.61で終えた。年間としては2年連続で上昇し、年末時点の水準が21年以来3年ぶりに2万を上回った。
 

FTSEの構成銘柄では、小売り大手JDスポーツ・ファッションが3.32%高、産金大手エンデバー・マイニングが2.37%高、投資持ち株会社パーシングスクエア・ホールディングスが2.26%高と相場をけん引。一方、会計ソフト大手セージは0.93%安、不動産サイト大手ライトムーブは0.80%安、航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は0.72%安となった。

 

 



■ドイツ・フランクフルト株価指数

ドイツ市場は31日と1月1日はいずれも休場で、2日に取引が再開される。



■フランス・パリ株価指数

フランスCAC40種指数は0.92%高(年間は2.15%安)で取引を終えた。個別では、福利厚生サービス大手エデンレッドが2.88%高、コンサルティング会社キャップジェミニが1.90%高、コールセンター運営大手テレパフォーマンスが1.71%高と買われた半面、金融大手クレディ・アグリコルは0.11%安、通信大手オレンジは0.02%安で引けた。

 

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