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【市況】337ドル高と3日続伸、米中摩擦の懸念後退 |
27日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸し、終値は前週末比337ドル41セント高の4万7544ドル53セントだった。前週末に続いて最高値を更新した。米中対立が緩和に向かうとの期待から、ハイテク株を中心に主力株に買いが広がった。
米中両政府は週末に閣僚級の貿易協議を実施。ベセント米財務長官は、30日に韓国で予定されている米中首脳会談に向けた「枠組みができた」と述べたと報じられた。また、ベセント氏は26日に米テレビのインタビューで、11月1日から課すとしていた100%の対中関税は「回避される」と明言。投資家の安心感が広がり、買い注文が加速した。
米連邦準備制度理事会(FRB)が28日からの金融政策会合で利下げするとの期待も相場を下支えした。週内にマイクロソフトやグーグル親会社のアルファベット、アップルなどIT大手の決算発表を控え、「人工知能(AI)への需要が引き続き強い」(日系証券)との見方から、ハイテク株が積極的に買われた。
米主要企業による決算発表が始まり、市場予想を上回る内容が目立つことも投資家心理を上向けている。今週は29日にマイクロソフトやアルファベット、メタプラットフォームズ、30日にアップルとアマゾン・ドット・コムがそれぞれ四半期決算を発表する。巨大ハイテク企業の決算発表に期待が高まっていることも相場を支えた。
ダウ平均の構成銘柄ではエヌビディアやマイクロソフト、アップルといった巨大ハイテク株への買いが目立った。IBMやマクドナルド、JPモルガン・チェースも高い。半面、ウォルマートやナイキ、アムジェンは下げた。
ナスダック総合株価指数は3日続伸し、終値は前週末比432.589ポイント高の2万3637.456だった。前週末に続いて最高値を更新。S&P500種株価指数は終値で初めてとなる6800台に乗せ、2営業日連続で最高値を更新した。
【シカゴ日本株先物概況】
27日のシカゴ日経平均先物は上昇した。12月物は前週末比940円高の5万0485円で終えた。この日は日経平均株価が終値で史上初の5万円台に乗せており、ダウ工業株30種平均など米主要3株価指数が最高値を更新したのもあり、シカゴ市場の日経平均先物にも買いが活発となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
50485 ( -105 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
50575 ( -15 )
( )は大阪取引所終値比
27日の英FTSE100種総合株価指数は小幅ながら6日続伸し、前週末につけた最高値を更新した。終値は前週末比8.20ポイント(0.08%)高の9653.82だった。今週後半に予定される米中首脳会談を前に、両国の貿易協議が関係改善の方向へ進むとの期待が出て、投資家心理を支えた。
27日の米市場ではハイテク関連を中心に買いが入っている。英FTSE100種指数の構成銘柄にはハイテク関連が少ないため市場のムードを通じた米国株高の恩恵を受けにくく、指数の上値は限られた。
FTSEの構成銘柄では、金融大手スタンダード・チャータードが3.19%高、投資信託会社ポーラー・キャピタル・テクノロジー・トラストが2.33%高、金融大手ロイズ・バンキング・グループが2.31%高と相場をけん引。他方、産金大手エンデバー・マイニングは5.03%安、同業フレスニロは4.97%安、建機レンタルのアシュテッド・グループは2.52%安と売られた。
27日のドイツ株価指数(DAX)は3日続伸し、前週末比68.89ポイント(0.28%)高の2万4308.78で終えた。貿易問題を巡り米中関係が悪化するとの懸念が後退し、投資家がリスク選好姿勢を強めた。27日のハイテク関連を中心とした米株式相場の上昇も支えとなった。
個別では、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズが2.37%高、自動車部品大手コンチネンタルが1.43%高、郵便・物流大手ドイツポストが1.33%高と上伸。半面、化学品商社ブレンタークは2.40%安、航空機エンジン大手MTUエアロ・エンジンズは2.21%安、防衛大手ラインメタルは1.84%安で終了した。