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【市況】反落333ドル安、米長期金利上昇で |
27日のNYダウ工業株30種平均は6営業日ぶりに反落し、前日比333ドル59セント安の4万2992ドル21セントで終えた。
米長期金利が上昇し、株式の相対的な割高感が強まった。
年末で投資家が持ち高調整を進めるのに伴い、米半導体エヌビディアや米アップルなど「今年大きく値上がりした銘柄を中心に利食い売りが広がった」(日系証券)。トランプ次期大統領の就任を年明けに控え、財政赤字拡大やインフレ再燃の可能性が懸念される中、米長期金利が上昇したことも相場全体の重荷となった。
生成AI(人工知能)サービス「チャットGPT」を手掛ける米オープンAIはこの日、AI開発費用の調達のため営利重視の組織に体制を改めると明らかにした。市場でAI開発のコストが意識され、オープンAIに出資している米マイクロソフトなど関連銘柄を下押しした。
27日の米債券市場で長期金利が4.6%台に上昇(債券価格は下落)し、前日終値(4.59%)を上回る場面があった。26日には4.64%と5月以来の高水準を付けていた。トランプ次期政権による不法移民の取り締まり強化や関税引き上げ、減税などがインフレ再燃と財政赤字拡大につながる可能性が意識され、米金利先高観が強まっている。
米景気の底堅さや根強いインフレ圧力を背景に、米連邦準備理事会(FRB)は来年の利下げを慎重に進める姿勢を示している。18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)とあわせて発表した参加者の政策金利見通しは2025年に0.25%の利下げ2回を織り込む水準だった。
ダウ平均は一時560ドルあまり下げた。前日までの5営業日で1000ドル近く上昇し、短期的な相場の過熱感が意識されやすい。年末で市場参加者が少なく、薄商いで値動きが大きくなりやすかった。ハイテクや半導体など今年に入って上昇が目立った銘柄を中心に売りが出た。
ダウ平均は週間では4週ぶりに上昇し、上げ幅は151ドルだった。
ダウ平均の構成銘柄ではエヌビディアやマイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、アップルなどが売られた。ウォルマートやアメリカン・エキスプレスも安い。一方、ボーイングが上げた。
ナスダック総合株価指数は続落した。前日比298.326ポイント(1.49%)安の1万9722.031で終えた。テスラが安い。ネットフリックスやビッグデータ分析のパランティア・テクノロジーズも下げた。
NYダウ 42992.21 ( -333.59 )
S&P500 5970.84 ( -66.75 )
NASDAQ 19722.03 ( -298.33 )
米10年債利回り 4.626 ( +0.048 )
NY(WTI)原油 70.60 ( +0.98 )
NY金 2631.9 ( -22.0 )
VIX指数 15.95 ( +1.22 )
【シカゴ日本株先物概況】
27日のシカゴ日経平均先物は上昇した。2025年3月物は前日比430円高の4万0130円で終えた。
同日の東京株式市場で日経平均株価が大幅に上昇した流れを引き継いだ。
NYダウ平均は、利益確定の売りが膨らみ6営業日ぶりに反落した。
シカゴ日経225先物 (円建て)
40130 ( -100 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
40220 ( -10 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
27日のFTSE100種総合株価指数は3日続伸した。前営業日である24日に比べ12.79ポイント(0.15%)高の8149.78で終えた。世界最大の石油輸入国である中国の経済成長見通しを巡る思惑からエネルギー関連株などに買いが入った。一方、27日の米株式市場で主要株価指数が下落していることは相場の重荷となった。
世界銀行は26日、中国の2024〜25年の経済成長見通しを引き上げた。ロンドン原油市場(ICEフューチャーズ)で北海ブレント先物相場は1バレル74ドル台に上昇した。今後、中国でのエネルギー需要が回復するとの観測から、英シェルやBPなどエネルギー関連株が上昇した。
FTSEの構成銘柄では、エネルギー小売り大手セントリカが2.21%高、酒造大手ディアジオが1.50%高、石油大手BPが1.10%高と上伸。一方、衣料小売り大手ネクストは2.60%安、投資持ち株会社パーシングスクエア・ホールディングスは2.34%安、特殊化学品大手クローダ・インターナショナルは2.11%安となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
27日のドイツ株価指数(DAX)は8営業日ぶりに反発し、前営業日である23日に比べ135.55ポイント(0.68%)高い1万9984.32で終えた。23日に3週ぶりの安値をつけた後で、値ごろ感が出たとみられた主力株の一部に買いが入った。
個別では、自動車大手フォルクスワーゲン(VW)グループの持ち株会社ポルシェSEが2.59%高、化学品商社ブレンタークが2.26%高、製薬大手バイエルが2.08%高と買われた半面、エネルギー大手シーメンス・エナジーは2.03%安、ミュンヘン再保険は0.78%安、ハノーバー再保険は0.33%安で取引を終えた。
■フランス・パリ株価指数
欧州株式市場で、フランスの主要な株価指数であるCAC40は続伸し、前営業日の24日比0.99%高で終えた。欧州主要600社の株価指数であるストックス600は小幅高。前週に急落したデンマーク製薬大手ノボノルディスクへの買いが続き、指数全体の押し上げに寄与した。
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