東京株式(前引け)=続伸、買い一巡後は伸び悩む展開に
30日午前の日経平均株価は続伸し、午前終値は前営業日比62円52銭高の3万5902円51銭だった。
きょう前場は朝方買い優勢で始まった後ははっきりしない地合いとなり、日経平均は寄り後早々にフシ目の3万6000円大台に乗せる場面もあったが、その後は伸び悩んだ。
前日の米国株市場でNYダウが300ドルあまりの上昇で6日続伸したことを受け投資家のセンチメントが改善、リスクオンの流れにみえた。しかし、日米間での貿易協議を控えるなか、その後は買いポジションを軽くする動きが顕在化した。ただ下値も固く、日経平均は前営業日比マイナス圏に沈む場面はあったものの、すかさず押し目買いが入り結局プラス圏で引けている。決算内容が評価された銘柄や個別で材料のあった銘柄を中心に上昇した。
TDKやソニーGの上昇が日経平均を押し上げた。TDKは2026年3月期(今期)の業績見通しについて、トランプ関税政策の影響で需要が減ることを織り込んだ「リスクシナリオ」と、関税政策の影響を織り込まない「ベースシナリオ」の2つを用意し、不透明感を和らげたとして投資家に評価された。ソニーGは半導体子会社のスピンオフ(分離・独立)と株式上場を検討しているとの米ブルームバーグ通信の報道をきっかけに買いが入った。
トランプ米政権は自動車・部品関税の負担軽減措置を発表した。各国との交渉も進むとみられるなか、日本からは赤沢亮正経済財政・再生相が訪米し、日本時間5月1日にベッセント財務長官らと協議する予定だ。日本側は相互関税や自動車など品目別の追加関税撤廃を求める一方、農産品の輸入拡大や輸入自動車への特例措置の拡充などを交渉カードとして検討するとみられている。米国がどこまで応じるか未知数なうえ、日本は大型連休の谷間とあって積極的に運用リスクを取って株買いを進める投資家は少なかった。
企業の決算発表が徐々に増えており、個別対応の相場展開となりつつある。外部環境の改善を受けて、日経平均は後場もしっかりとした推移となりそうだ。本日の取引時間中に決算発表を予定している銘柄は、12時台にBBタワー、MDM、商船三井、内外トランス、13時台にハリマ化成G、大和工、14時台に南海電、ユナイテド海、中国電力、15時台に住友林業、日本M&A、大塚商会、東北電力となる。
東証株価指数(TOPIX)は続伸した。前引けは前営業日比9.63ポイント(0.36%)高の2660.24だった。JPXプライム150指数は続伸で前場を終えた。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆2634億円、売買高は9億1801万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は719、値下がりは862、横ばいは53だった。
業種別では、その他製品、医薬品、銀行、サービス、保険などが買われた一方、鉄鋼、石油・石炭、パルプ・紙、陸運、輸送用機器などが下落した。
個別では、25年3月期の連結最終損益を従来予想の160億円の黒字を236億円の黒字(前期は3149億円の赤字)に上方修正した住友ファーマがストップ高。また、TOTO、日本電気、ソシオネクスト、三菱電機などが決算を材料に買われた。売買代金首位となっているディスコや同2位のレーザーテックなどがしっかり。豊田自動織機が大幅高に買われた。任天堂も強い動き。りそなHDは証券会社のポジティブなレポートが材料視されて上昇。このほか、ソニーグループ、荏原製作所、コンコルディアなどが買われた。
スクウェア・エニックス・ホールディングス、エス・エム・エス、Genky DrugStoresなどが急騰している。
一方、ニコンが25年3月期営業利益予想を下方修正したことで売り優勢となったほか、キッコーマンも今期純利益が前期比で減益となり市場予想も下回ったことなどから売られた。また、マツダ、SUBARU、三菱自動車、トヨタ自動車など自動車関連はさえない。このほか、ジェイテクト、大和証G、ニデック、ファナックなどは売られた。日立製作所が安く、オリエンタルランドが大きく下値を探った。東京地下鉄なども大幅安となった。
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