東京株式(前引け)=続落一時2000円安、米株安や円高で3万7000円割れ
2日午前の日経平均株価は大幅に続落し、午前終値は前日比1864円48銭(4.89%)安の3万6261円85銭だった。下げ幅は一時2000円を超え、取引時間中としては4月19日以来およそ3カ月半ぶりに心理的節目の3万7000円を下回った。
前日の米株式市場は米7月ISM製造業景況指数が予想を下回り、景気後退懸念が膨らんだことを受け、NYダウは494ドル安と急落。特にフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は7%超下落した。この流れのなか、東京株式市場も売りが膨らみ全面安商状となった。半導体関連などハイテク株が急落し、銀行や自動車株などが軒並み安に売られた。
市場予想に届かない米経済指標が相次ぎ、景気が想定以上のペースで減速しているとの懸念が強まった。値がさの東京エレクトロンなど半導体関連に売りが波及し、日経平均を押し下げた。2日の東京外国為替市場では円相場が前日に続いて一時1ドル=148円台まで上昇する場面があり、円高基調がトヨタやホンダなど輸出関連株の重荷となった。市場では売りが売りを呼ぶ展開となり、短期筋を中心にヘッジ目的の先物売りが広がっているとの見方もあった。
多くの輸出関連企業は想定為替レートを1ドル=145円前後に設定している。ピクテ・ジャパンの松元浩シニア・フェローは、自動車などを中心に円安進行に伴う通期業績予想の上方修正の期待は大きかったとし「足元の円高進行に伴い今後の業績への過度な期待が後退し、売りに拍車をかけている」とみていた。
2日午前、日経平均株価を対象としたオプション価格から算出する日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は一時、前日比6.63ポイント(30.38%)高い28.45を付けた。取引時間中としては2022年6月以来、2年2カ月ぶりの高水準。株価が将来的に下落すると考える市場参加者が増え、オプション市場のプット(売る権利)の価格が大幅に上昇した。
歴史的な日経平均の急落相場を受けて、日経平均VIは28ポイント台まで急騰しており、投資家マインドは急激に悪化している。今年初めて200日移動平均線を割り込んだことで手じまい売りも入ったようだが、本日も前場で3兆円の売買代金ができていることから下値を買う投資家は存在すると考える。今晩の7月米雇用統計への警戒感は非常に高いことから、日経平均が一気に下げ幅を縮小するような地合いは期待できないが、200日移動平均線が位置する3万6860円水準辺りの戻りは意識したいところだろう。
東証株価指数(TOPIX)は続落した。前引けは126.18ポイント(4.67%)安の2577.51だった。JPXプライム150指数は続落し、54.13ポイント(4.53%)安の1140.02で前場を終えた。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で3兆3062億円、売買高は15億4072万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1611。値上がりは28、横ばいは6だった。
全業種が売られたなか、証券・商品先物取引業、保険業、銀行業、電気機器、鉱業の下げが目立った。
個別銘柄では、株式市場の地合い悪化が嫌気されて、大和証券グループ本社、野村ホールディングスなど証券株がきつい下げとなったほか、ディスコ、レーザーテック、スクリーンHD、東京エレクトロン、ソシオネクスト、SUMCO、レーザーテック、アドバンテストなど半導体株も急落。このほか、三越伊勢丹、三井物産、荏原製作所、三井化学、日本製鋼所、三菱重工、日立製作所など幅広い銘柄が売られた。三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグループが大幅安。トヨタ自動車、ソフトバンクグループやソニーグループも下落した。
一方、豪州市場などが好調だったことで第1四半期決算が想定以上の大幅増益となった日本ハムが逆行高となったほか、コナミグループ、住友電工工業、日本製鉄も好業績が材料視されて買われた。このほか、アステラス製薬、協和キリン、東京ガスが上昇した。
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