 |
【市況】ダウ一時最高値34ドル高、バフェット銘柄急騰( |
15日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比34ドル86セント(0.07%)高の4万4946ドル12セントで終えた。
ダウ平均は昨年12月に付けた過去最高値(4万5014ドル)を上回って推移する場面が多かったが、週末を前に引けにかけて伸び悩んだ。
バフェット氏が経営トップを務めるバークシャー・ハサウェイは14日の引け後、4~6月期にユナイテッドヘルス株を取得したと公表。公的医療保険を巡る不正疑惑の捜査を受けていることなどが嫌気され、昨年末と比べて4割超下落していた。ただ、「投資の神様」と称される同氏の保有をきっかけに買いが殺到し、同株は12%上昇した。
朝方発表された7月の小売売上高など底堅い経済指標を受け、連邦準備制度理事会(FRB)による9月の利下げ観測がやや後退。高値警戒感に加え、米ロ首脳会談の内容を見極めたいとの思惑から様子見ムードも漂い、上げ幅が一時300ドルに迫ったダウの買いの勢いは失速した。
ユナイテッドヘルスは12%近く上げた。バークシャーが14日に米証券取引委員会(SEC)に提出した6月末時点の保有銘柄リストでユナイテッドヘルス株を取得していたことが分かった。セールスフォースにも買いが入った。アクティビスト(物言う株主)として知られるスターボード・バリューが保有を拡大していたことが14日のSECへの届け出で判明し、経営改善が期待された。アナリストが投資判断を引き上げたことも買いを誘った。
15日発表の7月の米小売売上高は前月比0.5%増と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想と一致した。8月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を大幅に上回った。一方、ミシガン大学が公表した8月の米消費者態度指数(速報値)は市場予想に反して4カ月ぶりに低下した。予想インフレ率が上昇し、物価高への懸念が消費者心理の重荷となった。ただ、指標はまちまちで米連邦準備理事会(FRB)が9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げを決めるとの市場の見方に大きな変化はなかった。
ダウ平均は上げ幅を縮小して終えた。米アラスカ州で米東部時間午後に始まったトランプ米大統領とロシアのプーチン大統領との会談を見極めたい参加者が多かった。主要株価指数が最高値圏にあり、過熱感や割高感も意識された。
半導体株などの下げも相場の重荷となった。トランプ米大統領が15日、記者団に対して半導体関税を近く公表すると話し、最終的には「200%や300%になるかもしれない」との考えを示した。ダウ平均の構成銘柄ではないが、前日夕に決算を発表した半導体製造装置のアプライドマテリアルズ(AMAT)が大幅安となり、主要な半導体関連株で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は2%あまり下げた。
ダウ平均ではメルクやアムジェンも買われた。一方、アナリストが投資判断を引き下げたシスコシステムズが安い。スリーエム(3M)やキャタピラー、ゴールドマン・サックス、エヌビディアなども下げた。
ナスダック総合株価指数は続落した。前日比87.693ポイント(0.40%)安の2万1622.977(速報値)で終えた。前日夕に決算とあわせて発表した見通しが市場予想に届かなかったAMATが安い。米政権が出資を検討していると報じられたインテルには買いが続いた。
【シカゴ日本株先物概況】
15日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前日比600円高の4万3445円で終えた。同日の東京株式市場で日経平均株価が最高値を更新し、シカゴ市場の日経平均先物にも買いが入った。
シカゴ日経225先物 (円建て)
43445 ( -25 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
43475 ( +5 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
15日の英FTSE100種総合株価指数は5営業日ぶりに反落し、前日比38.34ポイント(0.41%)安の9138.90で終えた。英銀大手スタンダードチャータードが前日比7%安となるなど銀行株が下げ、重荷となった。15日に米アラスカ州で開かれる米ロ首脳会談の成り行きを見極めたいとの雰囲気が広がるなか、利益確定などの売りも出やすかった。
15日の中国・上海や日本の株式相場上昇を支えに同日のFTSE100種指数は上昇して始まり、朝方には前日に付けた最高値(9177)を上回る場面もあった。同指数は週間では0.47%上昇した。
スタンダードチャータード株の下げは、15日に米共和党議員が、同行への調査を求める米司法長官あての書簡を公表したことがきっかけとなった。スタンダードチャータードは同日、同議員の主張を否定し、当局に全面的に協力していくとの声明を公表した。
FTSEの構成銘柄では、米共和党議員が制裁回避疑惑で調査を要求した金融大手スタンダード・チャータードが7.21%安と急落。航空機エンジン大手ロールス・ロイスが2.50%安、プライベート・エクイティ会社3i(スリーアイ)グループも2.36%安と下げた。他方、鉱業大手アングロ・アメリカンは2.21%高、資源大手グレンコアと石油大手BPは共に1.78%高と買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
15日のドイツ株価指数(DAX)は3日ぶりに小幅に反落し、前日比18.20ポイント(0.07%)安の2万4359.30で終えた。15日に米アラスカ州で開かれる米ロ首脳会談の成り行きを見極めたいと、投資家が様子見姿勢を強めた。DAXは前日比で高く始まったものの徐々に水準を切り下げ、下落に転じた。
個別では、エネルギー大手シーメンス・エナジーが3.05%安、通販大手ザランドが1.53%安、エネルギー大手イーオンが1.25%安と下げを主導。半面、航空機大手エアバスは1.71%高、製薬大手バイエルは1.56%高、自動車大手BMWは1.46%高で取引を終えた。
■フランス・パリ株価指数
欧州株式市場でフランスの株価指数CAC40は4日続伸した。終値は前日比0.67%高の7923.45と5月20日以来、およそ3カ月ぶりの高水準となった。
株式投資は全て自己責任でお願いします。このサイトの情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。当サイトの掲載事項において損失をされた場合も当方は一切の責任を負いかねます。
(C)ilogos / Eimei.tv