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【市況】続落89ドル安、持ち高調整の売りも下値堅く |
14日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前日比89ドル37セント(0.21%)安の4万2051ドル06セントで終えた。
米中貿易摩擦の緩和を期待した買いが続いた後で、景気敏感株を中心に持ち高調整の売りが優勢になった。半面、半導体やハイテク株の一角への買いが相場を支え、ダウ平均の下値は堅かった。
市場関係者はトランプ米政権の高関税政策が及ぼす景気や物価への影響を見極めようと、15日発表される4月の米卸売物価指数(PPI)や小売売上高の発表を注視している。同日には米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の講演も予定されている。
14日の米債券市場では長期金利が約1カ月ぶりの高水準をつける場面があり、株式の相対的な割高感が意識された面もあった。「前日発表の4月の米消費者物価指数(CPI)は市場予想を下回ったにもかかわらず(14日は)金利が上昇し、債券市場の動向を注視したい」との見方があった。米国では15日に4月の小売売上高や卸売物価指数(PPI)などの発表を控え、積極的に株式を買う動きは広がりにくかった。
ただ、ダウ平均は上昇する場面があった。エヌビディアが4%あまり上昇し、指数を下支えした。サウジアラビアの政府系ファンドの傘下企業に人工知能(AI)向け画像処理半導体(GPU)を提供すると13日に発表。米ブルームバーグ通信は米政権はアラブ首長国連邦(UAE)にエヌビディアの先端半導体の大量輸出を検討しているとも伝えた。
中東を訪問中のトランプ米大統領がAI関連の取引を相次ぎまとめ、関連企業の収益拡大につながるとの観測から関連銘柄の一角に買いが入った。ダウ平均の構成銘柄以外ではサウジの企業との提携が好感されたサーバーなど電子機器製造のスーパー・マイクロ・コンピューターへの買いが目立った。サウジの政府系ファンドの傘下企業との提携に加え、14日に新たな自社株買い枠を発表した半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も買われた。
このほかダウ平均の構成銘柄では、アナリストが投資判断を引き下げたメルクが4%ほど下げた。アムジェンやスリーエム(3M)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)も安い。一方、ウォルト・ディズニーやゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェースが買われた。カタール航空からの大型受注を発表したボーイングも上昇した。
ナスダック総合株価指数は6日続伸した。前日比136.725ポイント(0.71%)高の1万9146.810(速報値)で終えた。2月下旬以来の高値。テスラやアルファベットの上昇が目立った。
S&P500種株価指数は小幅に3日続伸した。前日比6.03ポイント(0.10%)高の5892.58で終え、2月下旬以来の高値となった。
【シカゴ日本株先物概況】
14日のシカゴ日経平均先物は下落した。6月物は前日比650円安の3万7720円で終えた。米中の関税協議の進展への期待感を背景とした日本株高に一巡感がでており、持ち高調整の売りが優勢だった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
37720 ( -420 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
37765 ( -375 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
14日の英FTSE100種総合株価指数は続落し、前日比17.91ポイント(0.20%)安の8585.01で終えた。14日に2024年10月〜25年3月期決算とあわせて最高経営責任者(CEO)交代人事を公表した、たばこのインペリアル・ブランズが大幅に下げ、指数の重荷となった。
FTSE100種指数がここ1カ月ほど上昇基調にあり、利益確定の売りが出やすい面もあった。
FTSEの構成銘柄では、たばこ大手インペリアル・ブランズが7.27%安、蒸気システム大手スパイラックス・サーコが6.00%安、信用リスク管理サービス会社エクスペリアンが2.86%安と下げを主導。他方、賭け屋大手エンテインは3.51%高、通信大手エアテル・アフリカは3.25%高、包装資材大手モンディは3.20%高と買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
14日のドイツ株価指数(DAX)は5営業日ぶりに反落し、前日比111.55ポイント(0.47%)安の2万3527.01で終えた。このところの相場上昇を受け、利益確定などの売りが優勢となった。
個別では、直近四半期の決算を材料に前日に買われていた製薬大手バイエルが10.39%安と急落。分子診断大手キアゲンは2.62%安、通販大手ザランドは2.11%安となった。半面、商用車大手ダイムラー・トラックは2.74%高、エネルギー大手イーオンは2.01%高、セメント大手ハイデルベルク・マテリアルズは1.80%高で取引を終えた。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は5営業日ぶりに反落し、前日比0.47%安で終えた。化粧品大手ロレアルや高級ブランドのLVMHモエヘネシー・ルイヴィトン、ケリングなど消費の関連銘柄が下げた。一方でクレディ・アグリコルなど金融が上昇した。
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