東京株式(前引け)=反発 米株高で押し目買い、朝高後は伸び悩み
6日午前の日経平均株価は反発し、前引けは前日比556円62銭高の5万0768円89銭だった。
きょう前場の日経平均はリバウンドに転じ、上げ幅は一時1000円を超えた。5万1000円台に乗せる場面があった。前日の米国株市場では雇用・景気指標の発表を受けて米国経済の底堅さが意識されたほか、ハイテク株を中心に持ち直しの動きとなり安心感を呼んだ。特にフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が3%高と切り返しを鮮明にした。この流れを引き継ぎ、東京株式市場でも前日に急落したAI・半導体関連をはじめ主力銘柄に買い戻しが流入。ただ、買い一巡後は上値が重く、依然として高値警戒感が意識されているもよう。
米民間雇用サービス会社ADPが5日に発表した10月の全米雇用リポートは非農業部門の雇用者数が前月比4万2000人増と市場予想(2万2000人増)を上回り、市場が警戒するほど雇用が悪化しているわけではないとの見方が広がった。一方で米連邦準備理事会(FRB)が12月も利下げを続けるとの観測は崩れていない。金融緩和が米景気を支え、株価を押し上げるとの見方は根強く、日本株にも根強い先高観を背景にした買いが改めて流入した。
日経平均は上げ幅を380円あまりまで縮める場面があった。前日の米半導体株高を受けて高く始まった東エレクやアドテストの上値が重かった。個人投資家の人気が高いソフトバンクグループ(SBG)は5%あまり上昇した後に下げに転じた。半導体関連株の戻りの鈍さは投資家心理の重荷になった。
日経平均は日足チャート上で、長期的なトレンドを示す200日移動平均からの上方乖離(かいり)率が前日時点で24.6%と、「買われすぎ」の目安とされる20%をなお上回っている。海外投機筋を中心に上値追い意欲は強い一方、国内を中心に戻り待ちの売りを出す投資家も多いようだ。
後場の日経平均株価は、もう一段の上昇を試みる展開となろう。為替で円相場が対ドルで落ち着きを取り戻しつつある点が輸出関連株の下支え要因となる。また、国内外の経済指標発表が控えており、企業決算の通期見通し修正などが材料視される可能性がある。需給面では、前場の上昇を受けた利益確定売りが重荷となる一方、年末に向けたポジション積み増し観測も意識されよう。
東証株価指数(TOPIX)は反発した。前引けは34.50ポイント(1.06%)高の3302.79だった。JPXプライム150指数は反発し、15.10ポイント(1.05%)高の1448.82で前場を終えた。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で3兆3744億円、売買高は13億3348万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は997。値下がりは548、横ばいは70だった。
業種別では、非鉄金属、機械、電気機器、輸送用機器などが堅調に推移した一方、鉄鋼、ゴム製品、陸運業などが軟調となった。
個別ではアドバンテストやディスコ、フジクラが高い。ソフトバンクグループ、東京エレクトロンはしっかり。トヨタ自動車やファーストリテイリング、任天堂、三菱重工業、コニカミノルタ、ダイキン、三井金属、日立、東京電力HD、富士電機、ローム、レーザーテック、日本取引所グループ、豊田通商、住友商も堅調。山一電機がストップ高に買われた。
半面、サンリオが急落。IHIや川崎重工業、ソシオネクストが水準を切り下げた。JX金属、日本製鉄、ソシオネクスト、SHIFT、イオン、ニトリHD、良品計画、JR西日本、エムスリー、住友ファーマ、OLC、住友化学、ネクソン、エプソン、太平洋セメントなどの銘柄が下落した。
株式投資は全て自己責任でお願いします。このサイトの情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。当サイトの掲載事項において損失をされた場合も当方は一切の責任を負いかねます。
(C)ilogos / Eimei.tv