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【市況】反落273ドル安、利益確定の売り優勢 |
12日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前日比273ドル78セント(0.59%)安の4万5834ドル22セントで終えた。
前日に主要株価指数がいずれも最高値となり、この日はダウ平均構成銘柄の大半で売りが先行した。前日まで出遅れ感があったIT大手などには買いが入り、ナスダックは上昇が続いた。
来週17日には連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策決定が控え、市場では0.25%の利下げが予想されている。市場参加者からは「9月の利下げは既に織り込み済みだ。10月以降の利下げの回数や幅に関する手掛かりに注目が集まる」との指摘が聞かれた。
ダウ平均は11日に617ドル上昇し、初めて4万6000ドル台に乗せた。ナスダック総合株価指数とS&P500種株価指数も最高値を更新した。12日は高値警戒感から持ち高調整の売りが広がった。
12日にミシガン大学が公表した9月の米消費者態度指数(速報値)は55.4と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(58.1)を下回り、前月(58.2)から低下した。1年先の予想インフレ率は4.8%と前月から変わらず、長期の予想インフレ率は3.9%と前月(3.5%)から上昇した。米政権による関税政策が消費者心理を下押ししており、経済の悪化懸念につながったことも相場の重荷だった。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、バイオ製薬のモデルナが7.4%安、製薬のファイザーが3.9%安と大きく下げた。トランプ米政権の保健当局者が新型コロナウイルスのワクチンと25人の子供の死亡事例を関連付け、来週に米疾病対策センター(CDC)の諮問委員会に提示する報告に含める予定だと、米紙ワシントン・ポストが12日に報じた。業績の逆風になりうるとの見方から、売りを誘った。
ただ、相場の下値は堅かった。11日発表の8月の米消費者物価指数(CPI)はおおむね市場の想定内の伸びにとどまったほか、週間の米新規失業保険申請件数が労働市場の減速を示した。FRBは16〜17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを決めるとみられており、金融緩和が経済を支えるとの期待が根強い。
市場では「利下げ期待に加え、人工知能(AI)の恩恵への期待は引き続き高く、大型ハイテク株を中心に買いが入った」との指摘があった。
ダウ平均の構成銘柄では、メルクやボーイング、ナイキなどが下げた。半面、マイクロソフトは1.7%上昇した。11日夕にオープンAIとの提携を延長することで合意したと発表し、好感された。アップルやウォルマート、エヌビディアも高かった。
ナスダック総合株価指数は5日続伸した。前日比98.028ポイント(0.44%)高の2万2141.103(速報値)で終えた。5日連続で最高値を更新した。自動運転車の開発進展に対する期待などを背景にテスラが7.3%高で終え、一時はおよそ7カ月ぶりの高値を付けた。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やマイクロン・テクノロジーも買われた。
【シカゴ日本株先物概況】
12日のシカゴ日経平均先物は下落した。12月物は前日比80円安の4万4425円で終えた。ダウ工業株30種平均が下落し、シカゴ市場の日経平均先物には売りが優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
44425 ( -55 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
44535 ( +55 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
12日の英FTSE100種総合株価指数は小幅に反落し、前日比14.29ポイント(0.15%)安の9283.29で終えた。前日比で高く始まったものの、米株式市場でダウ工業株30種平均が下げ幅を広げると英FTSE100種指数も伸び悩み、下げに転じた。
12日発表された英経済指標を受け、英景気の減速が意識されたのも重荷だった。一方で米利下げ観測は投資家心理を支え、FTSE100種指数は取引時間中に一時、8月22日につけた最高値(9321)を上回る場面もあった。
英アストラゼネカやGSKといった製薬株や不動産投資信託(REIT)、英BPといった石油株の下げが重荷となった。半面、公益株や英防衛大手BAEシステムズが上昇。銅など非鉄金属先物の値上がりを背景に、スイスのグレンコアを含め資源関連の一部銘柄が上げた。
FTSEの構成銘柄では、保険大手ビーズリーが2.84%高、防衛大手バブコック・インターナショナル・グループが2.39%高、エネルギー小売り大手セントリカが2.13%高と上昇。一方、小売り大手JDスポーツ・ファッションは2.16%安、酒造大手ディアジオは1.94%安、産金大手フレスニロは1.82%安となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
12日のドイツ株価指数(DAX)は前日比横ばい圏で終えた。終値は同5.50ポイント(0.02%)安の2万3698.15だった。前日の米国株高や米国での利下げ期待を支えにDAXは上昇して始まったものの、買いの勢いは続かなかった。
米金融政策とは対照的に欧州中央銀行(ECB)が追加利下げに動くとの見方が後退し、投資家心理の重荷となった。12日に格付け大手フィッチ・レーティングがフランス国債の格付けについて定期見直しの結果を公表する予定。その内容を確認したいと、上値追いに慎重な雰囲気もあった。
個別では、ハノーバー再保険が3.44%高、ミュンヘン再保険が1.84%高、エネルギー大手イーオンが1.27%高と買われた半面、セメント大手ハイデルベルク・マテリアルズは2.57%安、製薬大手バイエルは2.29%安、コメルツ銀行は1.70%安で取引を終えた。
■フランス・パリ株価指数
欧州株式市場でフランスの株価指数であるCAC40は前日比0.02%高と横ばい圏で終えた。
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