【市況】反落128ドル安、利益確定売り |
2日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前週末比128ドル65セント(0.28%)安の4万4782ドル00セントで終えた。
ダウ平均は前週末に再び最高値を更新して取引を終えたこともあり、これまで買い進まれた銘柄を中心に利食い売りが出やすかった。市場関係者らは米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策の行方を見極めようと、今週のFRB高官の講演や、6日発表される11月の雇用統計を注視している。
ダウ平均は11月に3000ドルあまり上昇し、月間の上昇幅は2022年10月以来の大きさとなった。米大統領選後に株式相場の上昇基調が強まり、短期的な過熱感や高値警戒感が意識された。
トランプ次期米大統領は11月30日、ブラジルや中国、ロシアなど有力新興国の「BRICS」に対して米ドルの基軸通貨としての地位を脅かさないように求める考えを示した。要求に従わなければ、高関税を課すとした。関税は米国のインフレ圧力となるうえ、報復措置は米国の輸出にも影響する。市場では「次期政権の関税政策が経済に与える影響を見極めたい」との指摘があった。
ダウ平均の下値は限定的だった。2日午前発表の11月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数は48.4と10月(46.5)から改善し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(47.5)を上回った。個別項目では「新規受注」や「雇用」が改善する一方、「価格」が低下した。
米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事は2日午後の講演で「現時点では12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを支持する方向に傾いている」との認識を示した。米景気が底堅さを保つなか、FRBが利下げを続けるとの見方は株式相場を支えた。
ダウ平均の構成銘柄では、アムジェンとJPモルガン・チェースが下げた。ベライゾン・コミュニケーションズとハネウェル・インターナショナルも安かった。半面、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、アップルといったハイテク株が上昇した。
ナスダック総合株価指数は続伸した。前週末比185.782ポイント(0.96%)高の1万9403.948で終え、11月11日以来の最高値更新となった。テスラが上昇した。高度運転支援システム「フルセルフドライビング(FSD)」の最新版を公表し、好感した買いが入った。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やブロードコムなども上昇し、主要な半導体関連株で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は2.6%高で終えた。
S&P500種株価指数は続伸した。前週末比14.77ポイント(0.24%)高の6047.15と連日で最高値を更新した。
2日のシカゴ日経平均先物は上昇した。12月物は前週末比315円高の3万8615円で終えた。
NYダウ平均は、前週末に史上最高値を更新した後を受け利益確定の売りが出て、反落した。この日はハイテク株の比率が高い米ナスダック総合株価指数が最高値を付け、シカゴ市場の日経平均先物にも買いが優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
38615 ( +145 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
38630 ( +160 )
( )は大阪取引所終値比
2日のFTSE100種総合株価指数は4日続伸し、前週末比25.59ポイント(0.30%)高の8312.89と10月21日以来の高値で終えた。外国為替市場で英ポンド安・ドル高が進み、ポンド安が業績の追い風となる一部銘柄への買いを誘った。
FTSEの構成銘柄では、システムキッチンメーカーのハウデン・ジョイナリーが2.76%高、航空機エンジン大手ロールス・ロイスが2.58%高、蒸気システム大手スパイラックス・サーコが2.37%高と相場をけん引。他方、住宅大手ビストリー・グループは3.89%安、小売り大手B&Mヨーロピアン・バリュー・リテールは2.62%安、学生向け住宅の開発・運営を手掛けるユナイト・グループは2.27%安となった。