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【市況】171ドル安と続落、早期利下げ期待後退 |
30日のNYダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比171ドル71セント(0.38%)安の4万4461ドル28セントで終えた。
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は会合後の記者会見で、9月会合での利下げについて「何も決まっていない」と言明。トランプ米政権の高関税政策によるインフレ再燃リスクを防ぐことを念頭に、現在の政策スタンスが適切との見解を示した。市場では「9月利下げはなさそうだ」との見方からリスク回避の売りが膨らみ、ダウの下げ幅は一時400ドルに迫った。
一方、パウエル議長は利下げの「適切なタイミング」を探っていると表明。利下げ再開時期がそれほど遠のかないとの観測も広がり、ダウは引けにかけて下げ幅を縮めた。
S&P500種株価指数は28日に最高値を更新していた。市場では「FRBが今後の金融政策に対する慎重な姿勢を示したことで、最高値圏にある株式相場が下落することに驚きはない」との声が聞かれた。
ただ、ダウ平均は下値の堅さも意識された。30日の取引終了後にはマイクロソフトとメタプラットフォームズが四半期決算を発表する。株価が大きく変動すれば米株相場に影響するため、様子見の投資家が多かった。人工知能(AI)投資に対する方針を見極めたいとの声もあった。
30日朝発表の4〜6月期の米実質国内総生産(GDP)速報値は前期比年率で3.0%増だった。ダウ・ジョーンズ通信が集計した市場予想(2.3%増)を上回り、米政権の関税政策が経済を下押しするとの警戒が薄れた。
スリーエムやプロクター・アンド・ギャンブル、シェブロンが下げた。ナイキも売られた。半面、エヌビディアやユナイテッドヘルス・グループ、キャタピラーは上昇した。
ナスダック総合株価指数は反発した。前日比31.383ポイント(0.14%)高の2万1129.674(速報値)で終えた。アルファベットやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が上昇した。
【シカゴ日本株先物概況】
30日のシカゴ日経平均先物は横ばいだった。9月物は前日と同値の4万0640円で終えた。この日は日経平均株価が小幅に下落する一方で米株式相場は方向感を欠く展開となり、シカゴ市場の日経平均株価は動意に乏しかった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
40640 ( -20 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
40680 ( +20 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
30日の英FTSE100種総合株価指数は前日比0.62ポイント高の9136.94と横ばい圏で終えた。主要企業の業績発表が相次ぐなかで個別の材料を受けた売りと買いが交錯し、指数は明確な方向感を欠いた。同日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表とパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見が予定されており、様子見の雰囲気も出ていた。
30日発表した2025年4〜6月期決算が市場予想を上回る内容となった製薬の英GSKが上昇し、前日に四半期決算を公表していた同業の英アストラゼネカにも買いが続いた。他方、減益決算を公表した英大手銀HSBCホールディングスが下落。25年1〜6月決算を公表した英テイラー・ウィンピーなど住宅建設に売りが優勢だった。
FTSEの構成銘柄では、製薬大手GSKが4.69%高、投資持ち株会社パーシングスクエア・ホールディングスが3.20%高、製薬大手アストラゼネカが3.05%高と大幅に上昇。他方で、住宅大手テイラー・ウィンペイは6.25%安、医療機器のコンバテックは5.48%安、金融大手HSBCホールディングスは4.54%安と急落した。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
30日のドイツ株価指数(DAX)は小幅に続伸し、前日比44.85ポイント(0.18%)高の2万4262.22で終えた。同日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表とパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見を控え、様子見の雰囲気が広がった。
個別では、コメルツ銀行が4.52%高、エネルギー大手シーメンス・エナジーが4.19%高、医療機器のシーメンス・ヘルシニアーズが1.98%高と買われた半面、2025年4〜6月期決算で売上高が市場予想を下回ったスポーツ用品大手アディダスは11.53%安、香料大手シムライズは9.12%安、自動車大手メルセデス・ベンツは3.42%安と売り込まれた。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は前日比0.05%高と前日から横ばい圏で終えた。
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