東京株式(前引け)=続伸 米中緊張緩和で、金利上昇が重荷
13日午前の日経平均株価は続伸し、午前終値は前日比652円60銭高の3万8296円86銭だった。12日に米中両政府が相互に課していた追加関税の引き下げで合意した。米中対立をめぐる緊張が緩和し、12日の米株式相場は大きく上昇した。
きょう前場は、主力株を中心に買いが加速し日経平均株価は大幅続伸、フシ目の3万8000円大台ラインを上回った。前日の米国株市場で主要株価指数が大幅高となり、ナスダック総合株価指数は4.3%高と急騰した。米中間の貿易協議が進展することへの期待が投資家心理を強気に傾けており、東京株式市場でもリスク選好ムードが強まっている。主力株を中心に幅広い銘柄に買いが入り、日経平均の上げ幅は一時800円を超えた。
ただ、取引時間中に外国為替市場でドル高・円安が一服したこともあって、日経平均も買い一巡後はやや伸び悩んだ。売買代金は前引け時点で3兆円を超えるなど高水準に膨らんだ。
12日のNYダウ工業株30種平均を含む主要な株価指数が軒並み上昇した。米国は14日までに累計145%の追加関税を30%に、中国は同125%の追加関税を10%に引き下げる。米中貿易摩擦による世界景気の悪化に対する懸念が後退し、リスク許容度を高めた投資家が株式に買いを入れる動きが目立った。値がさの半導体の一角や電子部品などが上昇した。中国関連銘柄に位置付けられる安川電とファナックも大きく上げた。
13日午前の国内債券市場で長期金利が一時、前日比0.075%高い1.465%と、相互関税の詳細発表前の4月2日以来およそ1カ月ぶりの高水準をつけた。金利上昇が業績の重荷となる不動産株などが下落し、指数の上値を抑えた。朝方の外国為替市場で1ドル=148円台まで下落した円相場の下げが一服したこともあり、前引けにかけて日経平均は上げ幅を縮めた。
日経平均は4月後半以降、米関税政策への警戒感が和らいだことを背景に上昇基調にあった。市場では「最大の懸案だった米中の関税引き下げ合意は、言い換えれば関税の警戒緩和という好材料の出尽くしを意味する。米中対立の緩和を期待するだけでは、足元の水準から一段の上値は追いづらい」との声が聞かれた。
買い一巡後の日経平均はさすがに上げ一服となったこともあり、後場の日経平均は前場終値水準でのもみ合いとなりそうだ。物色の対象は取引時間中の決算発表銘柄に集中するだろう。12時台に大林組、高砂熱、IIJ、三井海洋、13時台に大成建設、王子HD、三井化学、住友ファーマ、出光興産、ツガミ、JUKI、ヤマハ発、高島、ミズノ、14時台に石油資源、鉄建建設、三機工、森永乳、ヤクルト、住阪セメ、古河電、KOKUSAI、古河電池、三井E&S、帝国ホテルなどが予定されている。
東証株価指数(TOPIX)は続伸した。前引けは33.94ポイント(1.24%)高の2776.02だった。JPXプライム150指数は続伸し、16.21ポイント(1.34%)高の1226.94で前場を終えた。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で3兆830億円、売買高は12億2704万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は869。値下がりは715、横ばいは46だった。
業種別では、海運、銀行、その他製品、医薬品、倉庫・運輸などが上昇した一方、水産・農林、石油・石炭、建設、電気・ガス、不動産などが下落した。
個別では、米中通商交渉の進展を材料に、安川電機、SMC、ファナックなど中国関連銘柄が買われたほか、米アップル新機種値上げ観測報道を受けて、太陽誘電も上昇。売買代金トップとなった川崎重工業、同2位のディスコなどが高く、三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも買われた。任天堂も上昇した。リクルートホールディングスが上値を伸ばし、商船三井、川崎汽船など海運株も買われた。楽天銀行は空売り買い戻しが利いてストップ高カイ気配、クレハも一時値幅制限いっぱいに買われた。
一方、三菱重工業が軟調、アドバンテストも利食いに押された。経営成績などに著しい影響を与える事象があると発表したシャープは大幅安となった。また、円安が進行したことでニトリHD、ニチレイ、アサヒなど円高メリット銘柄も売られた。このほか、大林組、清水建設、大成建設、鹿島建設など建設株がさえない。AZ-COM丸和ホールディングスが急落、不二製油も大きく水準を切り下げた。
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