NY株/欧州株概況
ダウ反発105ドル高、米中協議に期待
【市況】ダウ反発105ドル高、米中協議に期待

10日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比105ドル11セント(0.24%)高の4万2866ドル87セントと3月上旬以来の高値で終えた。半導体やハイテク株の一角が買われ、投資家心理を支えた。一方、米中の閣僚級協議の結果を見極めたい雰囲気も強かった。主要株価指数が高値圏で推移するなか、利益確定売りも出やすく、ダウ平均は下げる場面もあった。
 
米中両政府は9日に続き、10日もロンドンで閣僚級の貿易交渉を行った。中国によるレアアース(希土類)の輸出規制や米国の半導体規制を議論しているとみられる。協議に参加するラトニック米商務長官が協議は順調だと述べたことで楽観が広がり、中国に製造拠点があるスポーツ用品大手ナイキや、輸出規制緩和の恩恵を受けるとみられる半導体関連が買われた。
電気自動車(EV)大手テスラは、近く自動運転タクシーの事業が開始されるとの見方から、3営業日連続で大きく値上がりした。先週はマスク最高経営責任者(CEO)とトランプ米大統領の決裂を受け、急落していた。
 
ダウ平均の構成銘柄ではないが、半導体受託生産最大手の台湾積体電路製造(TSMC)の米預託証券(ADR)が2%あまり上昇した。10日に発表した5月の売上高が前年同月と比べ大幅に伸び、人工知能(AI)向け半導体の需要が引き続き強いとの見方を誘った。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体関連株全般への買いを支えた。

ハイテク株ではアルファベットが上昇した。傘下グーグルのクラウドサービスをオープンAIが利用する計画だとロイター通信が10日に伝えた。

米株式相場は4月に大幅に下げた後に急ピッチで回復してきただけに、高値警戒感も重荷となった。11日には消費者物価指数(CPI)、12日は卸売物価指数(PPI)と5月の米物価指標の発表が続く。「インフレ懸念が強まれば、相場の流れは変わりかねない」との見方もあった。

ダウ平均の構成銘柄では、ナイキやウォルト・ディズニー、メルク、シェブロンが買われた。半面、アナリストが投資判断を引き下げたマクドナルドは下げた。セールスフォースやトラベラーズ、シスコシステムズも下落した。

ナスダック総合株価指数は3日続伸した。前日比123.752ポイント(0.63%)高の1万9714.989(速報値)と、連日で2月20日以来の高値で終えた。メタプラットフォームズも買われた。

S&P500種株価指数は前日比32.93ポイント(0.54%)高の6038.81と、2月20日以来の高値で終えた。
 

【シカゴ日本株先物概況】
10日のシカゴ日経平均先物は上昇した。6月物は前日比150円高の3万8375円で終えた。この日は日米の株式相場が上昇し、シカゴ市場の日経平均先物にも買いが優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
38375 ( +145 )
 
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
38370 ( +140 )
 
( )は大阪取引所終値比
 





【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
 
10日の英FTSE100種総合株価指数は反発し、前日比20.80ポイント(0.23%)高の8853.08で終えた。取引時間中には3月3日につけた最高値(8871)を上回る場面があった。原油先物相場の上昇を背景に、指数への寄与度が大きい英シェルなどエネルギー株が買われた。10日発表された英雇用統計が労働市場の減速を示し、英国での利下げ期待が広がったのも投資家心理を支えた。
 
ロンドン原油市場(ICEフューチャーズ)で北海ブレント先物の期近8月物は一時1バレル68ドル付近と、期近物として約1カ月半ぶりの高値をつけた。英長期金利の低下などを背景に英パーシモンなど住宅建設や、不動産投資信託(REIT)が上げた。半面、英スタンダードチャータードをはじめ銀行が下落。防衛大手の英BAEシステムズといった資本財の一角が下げた。
 
FTSEの構成銘柄では、住宅大手3社が急伸し、パーシモンが5.95%高、バラット・デベロップメンツが5.62%高、住宅大手テイラー・ウィンペイが4.60%高。一方、金融大手スタンダード・チャータードは2.88%安、同業バークレイズは2.74%安、衣料小売り大手ネクストは2.69%安となった。


■ドイツ・フランクフルト株価指数
 
10日のドイツ株価指数(DAX)は3日続落し、前日比186.76ポイント(0.77%)安の2万3987.56で終えた。ロンドンで開かれている米中の閣僚級協議に、引き続き投資家の関心が高い。貿易を巡る次の材料待ちという雰囲気の中で、利益確定などの売りが出やすかった。
 
個別では、高級車メーカーのポルシェが3.37%高、化学大手BASFが2.81%高、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズが1.57%高と上昇。半面、防衛大手ラインメタルは5.80%安、エネルギー大手シーメンス・エナジーは3.62%安、ミュンヘン再保険は2.19%安で取引を終えた。






■フランス・パリ株価指数


フランスの株価指数CAC40は小幅に反発し、前日比0.16%高で終えた。


 

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