東京株式(前引け)=続落、戻り待ちの売りや円高進行が重石
15日午前の日経平均株価は続落し、前引けは前日比422円39銭安の3万7705円74銭だった。
これまでの急ピッチの上昇の反動が出て、目先高値警戒感から先物主導で大きく下値を探る展開となった。
前日の米国株市場ではナスダック総合株価指数の上値指向は続いているもののNYダウが続落するなど上昇一服局面にある。また、外国為替市場でやや円高方向に振れており、輸出セクター中心に向かい風となっている。ここショートカバーで戻り足を強めていた半導体関連株の上げ足が止まり、利食い急ぎの動きが観測される。値下がり銘柄数は1200を超え、プライム市場全体の74%の銘柄が安くなった。
一部の通信社が14日に「米国と韓国の会談で韓国ウォン相場について協議した」と報じた。米国が日本にもドル高の是正を求めるとの思惑から、前日夕の外国為替市場で円相場は一時145円台後半まで上昇した。円相場は引き続き前日17時時点に比べて強含んでおり、輸出採算悪化への懸念からトヨタやホンダなどの自動車株が軒並み安となった。
市場では「米中両国の追加関税の引き下げ合意もあって日本株は急ピッチで戻してきたため、買い疲れが意識されている。『高所恐怖症』の投資家から利益確定売りも出やすかった」との指摘があった。
後場の日経平均株価は、軟調な値動きが継続しそうだ。戻り待ちの売りに押されるなか、今週企業決算発表のピークを迎えており、引き続き様子見ムードが広がろう。また、円相場が1ドル=146円台前半に上昇しており、相場の重石となろう。高値警戒感が広がる中、好業績・好材料を発表した銘柄中心に選別を進めたい。
東証株価指数(TOPIX)は続落した。前引けは26.82ポイント(0.97%)安の2736.47だった。JPXプライム150指数も続落し、13.14ポイント(1.08%)安の1206.72で前場を終えた。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆3131億円、売買高は9億5087万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1213と全体の7割を占め、値下がりは383、横ばいは36だった。
業種別株価指数(33業種)は輸送用機器、その他製品、保険業などが下落。繊維製品、海運業、倉庫・運輸関連業などは上昇した。
個別では、ディスコやアドバンテスト、レーザーテックなどの半導体関連株のほか、ソニーグループ、トヨタ自動車、フジクラ、IHI、ファーストリテ、などが下落した。ほか、前期は一転減益決算で今期も2ケタ減益見通しとなったGENOVAが急落、GMOインターネット、シンクロ・フード、イー・ギャランティなどが値下がり率上位となった。
ソニーグループ、任天堂なども軟調。GENOVAが急落、GMOインターネット、シンクロ・フードなども大幅安となった。
一方、三菱重工業がしっかり、川崎汽船、商船三井などの海運株が堅調に推移。また、スクウェア・エニックス・ホールディングス、日立、SMCなどが上昇した。そのほか、今期大幅増益見通しや自社株買いを発表したUTグループが急騰、ラサ工業、スターティアホールディングス、ジェイエイシーリクルートメントなどが値上がり率上位となった。
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