NY株/欧州株概況
連日の最高値161ドル高、米景気への楽観で
【市況】連日の最高値161ドル高、米景気への楽観で

17日のNYダウ工業株30種平均は続伸した。前日比161ドル35セント(0.37%)高の4万3239ドル05セントで終え、連日で最高値を更新した。
 
半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が17日発表した決算が好調で、米半導体大手エヌビディアなど関連株に買いが集まった。直近は米金融大手の好決算が相次いでいるほか、この日発表された9月の米小売売上高が市場予想を上回り、米経済に対する強気な見方が株買いを促した。
 
11月5日の米大統領選まで3週間を切る中、市場では「共和党のトランプ前大統領と民主党のハリス副大統領のどちらが勝っても、上下両院の多数派が異なる『ねじれ』となり、大きな政策変更は行われない」との予想が浮上。金融市場への影響は限られるとの安心感も相場を支えている。
 
朝発表の9月の小売売上高は前月比0.4%増と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(0.3%増)を上回った。
米経済の大半を占める個人消費の伸びを受け「景気はかなり良好だ」と受け止められた。週間の新規失業保険申請件数は24万1000件と前の週から1万9000件減り、市場予想(26万件)も下回った。底堅い労働市場は今後の消費も支えるとの見方も誘い、消費関連株や景気敏感株の一角が買われた。
 
半導体受託製造大手の台湾積体電路製造(TSMC)が17日に発表した2024年7〜9月期の決算は人工知能(AI)向け需要の強さを背景に、市場予想を上回る実績と見通しを示した。オランダの半導体製造装置ASMLホールディングが今週発表した低調な決算をきっかけに広がった半導体株の先行き不安が後退したことも、投資家心理の改善につながった。半導体株の一角が買われ、ダウ平均の構成銘柄ではないがエヌビディアは株式分割後ベースの高値を付けた。
 
相場の上値は重かった。ダウ平均や多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は最高値圏で推移するなか、高値警戒感から一部の主力株には利益確定売りも出やすかった。発表が本格化する企業決算を見極めたい投資家も多かった。
 
米長期金利が一時前日比0.09%高い(債券価格は安い)4.10%を付けたことも、株式相場の重荷となった。「金利上昇は米景気の底堅さを背景としているものの、米利下げペースが想定よりも緩やかになる可能性も映している」との声も聞かれた。今後の経済指標の発表や米連邦準備理事会(FRB)の金融緩和のペースを確認したい雰囲気もあった。
 
個別銘柄ではトラベラーズが9%高となり、ダウ平均を押し上げた。17日に発表した24年7〜9月期決算が市場予想を上回った。シェブロンやアメリカン・エキスプレスや、インテルも買われた。半面、コカ・コーラやユナイテッドヘルス・グループ、ホーム・デポは下げた。
 
ナスダック総合株価指数は小幅に続伸した。前日比6.530ポイント(0.03%)高の1万8373.609で終えた。エヌビディアのほか、ブロードコムやマイクロン・テクノロジーといった半導体株が高い。一方、17日夕に決算発表を控えていたネットフリックスは売られた。アルファベットも安い。
 
 

【シカゴ日本株先物概況】

17日のシカゴ日経平均先物は下落した。12月物は前日比245円安の3万9205円で終えた。

米景気への楽観的な見方を背景にダウ工業株30種平均が連日で最高値を更新したが影響は限られ、シカゴ市場の先物には売りが優勢となった。

シカゴ日経225先物 (円建て) 

39205 ( +105 )


シカゴ日経225先物 (ドル建て)

39305 ( +205 )
 

( )は大阪取引所終値比







【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
 

17日のFTSE100種総合株価指数は続伸し、前日比56.06ポイント(0.67%)高の8385.13で終えた。終値として5月21日以来およそ5カ月ぶりの高水準となる。欧米での利下げ観測や米経済の底堅さを背景に、投資家心理が楽観に傾いた。

英バークレイズなどの銀行やエネルギー株が買われ、指数を押し上げた。

FTSEの構成銘柄では、北米事業の改革案を発表した有害生物管理会社レントキル・イニシャルが8.77%高と急伸。投資会社メルローズ・インダストリーズが4.01%高、ビジネス情報会社インフォーマが3.93%高で続いた。

一方、包装資材大手モンディは7.45%安、水道サービス会社ユナイテッド・ユーティリティーズと資源大手リオ・ティントは共に1.85%安と下げた。


■ドイツ・フランクフルト株価指数

17日のドイツ株価指数(DAX)は3営業日ぶりに反発し、前日比150.58ポイント(0.77%)高の1万9583.39で終えた。終値としての最高値を3営業日ぶりに更新した。欧州中央銀行(ECB)の利下げが投資家心理を支えた。

個別では、通期業績予想を据え置いた医療機器のザルトリウスが16.45%高と大きく買われたほか、医薬大手メルクは7.56%高、エネルギー大手シーメンス・エナジーも4.20%高と上伸。半面、同業イーオンは1.47%安、不動産大手ボノビアは1.46%安、商用車大手ダイムラー・トラックは1.25%安だった。




■フランス・パリ株価指数

フランスの株価指数CAC40は3営業日ぶりに反発し、前日比1.22%高で終えた。電機大手シュナイダー・エレクトリックや航空機エンジンのサフランが上げた。BNPパリバなど金融株が買われた。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンなど消費関連にも買いが優勢だった。自動車の欧州ステランティス、食品大手の仏ダノンが下げた。






 

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