前日の米株式市場では、NYダウが520ドル高と急伸した。米利上げ終了に向けた期待が高まるなか買いが膨らんだ。ナスダック指数は下落した。この流れを受け、日経平均株価は、朝方は値を上げてスタートした。ただ、上値は重く買い一巡後は小幅なマイナス圏に転じ、3万3500円を前後する一進一退状態が続いた。半導体関連など値がさハイテク株が値を下げる一方、為替が円安に振れたことを好感され自動車株などは堅調だった。
指数寄与度の大きい東エレクやアドテスト、ソフトバンクグループ(SBG)など値がさハイテク株の一角に売りが出て指数を押し下げた。30日にハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数、半導体銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が下落したことが重荷だった。
1日に米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の発言機会があるイベントを控え、買いを手控える投資家も多かった。FRBの利上げ局面が終了したとの見方が足元で強まるなか、パウエル議長が市場の楽観的なムードをけん制するとの声もあった。
ただ、30日のNYダウ工業株30種平均は年初来高値を更新しており、日経平均は一方的な下値模索の展開にはならずに上げる場面もあった。日経平均は前日夕に比べ円安・ドル高が進行して自動車株には買いが入った。
米国では、1日にパウエルFRB議長とクック理事が対談を行う。米連邦公開市場委員会(FOMC)のブラックアウト期間前となる最後のパウエル氏の発言機会となるだけに投資家の感心が集まっている。FOMCメンバー内でタカ派・ハト派が入り交じる発言が出ているだけに、パウエル氏が今後の金融政策運営について、どう言及するかが注目される。一方、東京市場は年末高に対する期待は根強くあるものの、来週末にはメジャーSQ(特別清算指数)算出日を迎える。週半ばにはSQに絡んだ売買に値動きの荒い展開も想定されるだけに要警戒だろう。