前週末の米国株市場でNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに値を下げたことで、朝方はリスク回避目的の売りが優勢となった。国内金利に先高観が浮上するなかハイテク値がさ株などに売りが目立ち全体を押し下げ、一方でメガバンクも目先利食い売りに上値が重かった。ただ、3万2000円台を割り込んだ水準では押し目買い需要が活発で、日経平均は寄り付きこそ大きく売りが先行したが、その後は一貫して戻り足を示した。決算発表が徐々にピークを迎えるなか、好決算発表銘柄を中心に買われた。前場取引半ばごろから外国為替市場でドルが買い戻され円高一服感が出たことも株価に浮揚力を与えている。
7月の米雇用統計を受けた前週末の米株安を背景に東京市場では売りが先行し、日経平均の下げ幅は午前に300円を超える場面もあった。
日銀が7日朝公表した7月27〜28日に開いた金融政策決定会合での政策委員の「主な意見」では、ある委員から「マイナス金利政策の修正にはなお大きな距離がある」との発言があった。金融緩和の継続が意識されたことも株式相場の支援材料になった。
国内では今週、主要企業の決算発表が一巡するため、業績動向を確認する動きが目先は続くだろう。また、海外では10日に米国の消費者物価指数(CPI)の発表を控えているため、景況感の趨勢を見極めたいとの声も聞かれるだけに、目先的には個別材料株の選別色が一段と強まる展開となりそうだ。ただ、週末から三連休となるだけに、8月限のオプションの特別清算指数(SQ)算出を控え、リバランスの動きなどに振らされる可能性は留意しておきべきだろう。
東証株価指数(TOPIX)は続伸し、9.30ポイント(0.41%)高の2283.93で終えた。JPXプライム150指数も続伸し、5.93ポイント(0.58%)高の1027.87で終えた。