国内での経済活動再開への期待が高まった。米中対立を巡る警戒が和らいだとの受け止めからアジア各国・地域の株式相場が上昇したことも支えとなり、終値は2万2000円台を回復。2月26日以来、およそ3カ月ぶり高値を付けた。
トランプ米大統領が5月29日の記者会見で、米国が香港に認めている優遇措置を見直す手続きに入ると発表した。だが中国との貿易合意の撤回や追加の対中追加関税などへの言及はなく、米中対立が先鋭化するとの警戒を和らげた。1日の香港株式市場でハンセン指数が大幅高となったことが買い安心感をもたらし、海外投資家による株価指数先物への買いが続き、上げ幅は一時280円を超えたが、高値警戒感から後場は利益確定目的の売りが出て伸び悩んだ。
東京都は新型コロナウイルスの感染状況が収束してきたとして、1日から幅広い業種で休業要請を解除した。国内経済の中心地での経済活動の再開で、景気が底入れに向かうとの受け止めが広がった。
直近の急ピッチな株高を受け高値警戒感も広がった。米国で白人警官による黒人暴行死への抗議デモが各地で広がるなか、今後の動向を見極めたいとの姿勢もみられた。後場は短期の利益を確定する目的の売りが出て日経平均は伸び悩んだ。
市場からは「米中対立など不透明材料を引きずっているが、好需給の方が勝っているようだ。ただ、TOPIX(東証株価指数)ベースでは、200日移動平均線で上値を抑えられ、そろそろ頭が重くなってきた感じだ」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は反発。終値は前週末比53.56ポイント高の1万4132.45だった。東証株価指数(TOPIX)も反発し、5.08ポイント高の1568.75で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆3258億円。売買高は12億168万株だった。
東証1部の値上がり銘柄数は998と全体の約46%にとどまった。値下がりは1094、変わらずは78銘柄だった。