朝方は日経平均が高く始まったものの、2万9000円近辺の売りの厚さを改めて確認する展開でその後は値を消した。前場は120円程度上昇する場面もあったが買いが続かず、前引け時点でマイナス圏に沈んだ。
しかし、後場は下げ渋る展開で瞬間プラスに転じる場面もあったが結局マイナス圏に引き戻された。新型コロナウイルスのワクチンの大規模接種が進捗していることで、内需の個人消費関連株の一角に買いが入った。
ただ、日経平均寄与度の高い値がさ株や半導体関連株に値を下げるものが多く指数の上値を重くした。チャート上で75日移動平均(8日時点、2万9183円)が上値抵抗とみなされやすいうえ「2万9100円台は今年に入ってからの信用買いの平均コスト水準のため、戻り待ちの売りが出やすい」との指摘もあった。
一方で下値も堅かった。米食品医薬品局(FDA)から認知症の治療薬候補が承認されたエーザイに買いが殺到し、ほかの医薬品株にも資金が向かった。
新型コロナウイルスワクチンを巡って大学や職場での接種を目指す動きが広がりを見せており、経済活動の正常化期待も相場を支えた。
JPX日経インデックス400は続伸。終値は前日比8.19ポイント高の1万7715.13だった。東証株価指数(TOPIX)は6日続伸し、1.80ポイント高の1962.65で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆1864億円。売買高は9億2866万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は692、値上がりは1399、変わらずは102だった。