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【大引け概況】


17日の日経平均株価は続落し、前日比140円82銭(0.44%)安の3万1626円00銭で終えた。6月2日(3万1524円)以来2カ月半ぶりの安値。
 
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前日の米国株市場がハイテク株中心に売られ主要株価指数が揃って軟調だったことを受け、リスクオフの流れとなった。米国株市場では7月のFOMC議事要旨が追加利上げの可能性を示唆するものであったことから、FRBによる利上げ長期化が懸念された。米長期金利の上昇が重荷となったほか、中国景気減速に対する警戒感も依然として買い手控え要因となっている。東京株式市場でもこの流れを引き継ぐ格好で一時日経平均が450円を超える大幅安となる場面もあった。ファストリなど値がさ株を中心に朝方から売りが優勢となった。
中国景気への懸念が根強く、17日の香港ハンセン指数が大きく下げると、日経平均を下押しした。
ただ、前日にも日経平均は470円あまりの大幅な下げをみせていたことで、下値では突っ込み警戒感からの買い戻しや押し目買いが入り、売り一巡後は下げ渋る展開となった。

難しい地合いである。前日ときょうの手口は似通っていて、個人投資家は絶好の押し目買いチャンス到来という見方で買い向かう一方、海外投資家は粛々と買いポジションを低めている。つまり、外国人売りの受け皿が個人という構図が浮かび上がる。だが、かといって相場がここから急落する可能性が高いかというと、そうともいえないだろう。
 
東京外国為替市場で円の対ドル相場が1ドル=146円台半ばとおよそ9カ月ぶりの安値となったが、政府・日銀の円買い介入による反転が意識され、自動車や機械など輸出関連銘柄を買う動きは限られた。

 
 
東証株価指数(TOPIX)は続落し、7.78ポイント(0.34%)安の2253.06で終えた。JPXプライム150指数も続落し、終値は5.00ポイント(0.49%)安の1009.47だった。
 
東証プライムの売買代金は概算で3兆2976億円。売買高は13億7326万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1214。値上がりは561銘柄、横ばいは60銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)は精密機器、卸売業、鉄鋼、鉱業などが下落した。上昇は銀行業、保険業など。
 
個別では、テルモやHOYA、アドテストが下落、ニデックの下げも大きかった。米長期金利の上昇を背景にAppierやメドピア、メドレー、チェンジHDなど、好決算が確認されたばかりの銘柄も含めて中小型のグロース(成長)株が厳しく売られた。前日に発表された訪日外客数は良好な結果だったが、目先の出尽くし感や中国リスクも意識され、資生堂や三越伊勢丹HD、マツキヨココカラ、共立メンテ、寿スピリッツなどのインバウンド関連の主力株が下落。関西ペイントは国内証券のレーティング格下げが嫌気された。ほか、日本製鉄、INPEX、三井物産、DOWAなどの景気敏感株を中心に下落が目立った。
 
一方、東エレク、スクリン、SUMCOなどが上昇し、その他の半導体関連も概ね底堅く推移。また、信越化学、ソニーG、ファナック、ダイキンといった主力株で堅調なものも見られた。為替の円安を追い風にSUBARU、スズキの自動車の一角は上昇。日米の長期金利の上昇を背景に三菱UFJ、りそなHD、東京海上HD、MS&ADなど銀行・保険が堅調。ほか、決算が良好だったパンパシHDがしっかり、業績・配当予想を上方修正したアイコム、既存店売上高動向が好感されたイオンファンタジー、国内中堅証券がフェアバリューを引き上げたアニコムHD、ヨシックスなどは大幅に上昇した。オープンハウスによる株式公開買い付け(TOB)を材料に三栄建築は急伸した。