前週末21日の米NYダウが前日比190ドル高の2万7930ドルと続伸した。アップルなどハイテク株を中心に上昇し、ナスダックやS&P500種指数は最高値を更新した。週明けの東京株式市場は、日経平均株価が小安く始まったが、下値は限定的で後場にかけ徐々に値を上げる展開となった。
米中対立を巡る過度な警戒感がやや和らぎ、同日の香港ハンセン指数が上昇した。その他のアジア株も高く、投資家心理が改善した。
中国ネットサービスの騰訊控股(テンセント)の対話アプリ「微信(ウィーチャット)」を巡り、中国国内で米企業が同アプリを使用続けることについて米政権が可能と示唆していると伝わった。24日の香港株式市場ではテンセント株が買われ、ハンセン指数が上げた。米食品医薬品局(FDA)が新型コロナウイルスの新たな治療法を特別に認可したと発表したのも投資家心理を支えた。
ただ、日中の上げ幅は限られた。新型コロナによる景気減速懸念は根強く、任天堂など一部の好業績銘柄に投資家の資金が集まる一方、物色の範囲は限られた。27〜28日に米カンザスシティー連銀が主催する国際経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)で米金融政策の方向性が示される可能性があり「イベントが終わるまで、持ち高形成に慎重な投資家が多い」として利益確定目的の売りも出た。
市場からは「参加者も少なく全般は見送り商状だ。国内に手掛かり材料がなく、海外要因にらみになるが、それを消化すれば、方向感が乏しくなる」との声が聞かれた。
様子見姿勢が強まり、商いは低調だった。東証1部の売買代金は概算で1兆5397億円と、今月17日以来の低水準。6営業日連続で節目の2兆円を下回った。売買高は7億7614万株だった。
JPX日経インデックス400は続伸。終値は前週末比32.11ポイント(0.22%)高の1万4505.62だった。東証株価指数(TOPIX)は続伸し、3.07ポイント(0.19%)高の1607.13で終えた。
東証1部の値上がり銘柄数は999と、全体の45.9%を占めた。値下がりは1070、変わらずは103だった。