前日の米株式市場では、NYダウは下落したものの、ハイテク株が高くナスダック指数は最高値を更新した。この流れを引き継ぎ、東京株式市場でも半導体関連株などが買われ、日経平均株価は2万9700円台を回復した。
半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が上昇し、東京市場でも関連銘柄を買う動きが活発になった。東エレクとアドテスト、太陽誘電の上昇が目立った。
為替が1ドル=114円30銭前後と前日夕方に比べ円安で推移したことも、ハイテク株の買い要因となった。
岸田文雄首相は19日午前に新たな経済対策について財政支出が56兆円程度、事業規模が79兆円程度と明らかにした。事前報道で伝わっていたが、相場の一定の下支え要因との見方があった。日本時間19日の米株価指数先物が堅調に推移したのも支援材料となった。
しかし物色の範囲が限定的で上値を追う雰囲気は乏しく、日経平均は小幅に下げる場面もあった。ANAHDや高島屋など経済再開(リオープン)銘柄が下落。政府が22年1月にも国内旅行の需要喚起策を再開するとみられるが欧米で新型コロナウイルスの感染が再び拡大しており、日本でも少し遅れて同様の傾向をたどるこれまでのパターンを警戒する市場参加者が多い。
市場からは「経済対策は規模こそ大きいが、経済成長を促すものが見当たらず、中身が伴っていない。米国株高に引っ張られて上がっているが、国内に材料はなく、相場の先行きを見通す難度が上がっている」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は3日ぶりに反発し、前日比9.01ポイント高の2044.53で終えた。JPX日経インデックス400も3日ぶりに反発した。
東証1部の売買代金は概算で2兆9270億円。売買高は11億9635万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1059、値下がりは1025銘柄、変わらずは99銘柄だった。