昨年来安値(2万7013円)に近づく場面では、主力銘柄に値ごろ感からの買いが入り、相場を押し上げた。日本時間24日の取引で米株価指数先物が高く推移し、日本株の買い安心感につながった面もある。上げ幅は100円を超える場面があった。
前週末の米国株市場ではFOMCを前にFRBの金融引き締めスタンスが予想よりも強いものになるのではないかという思惑がリスク回避ムードを助長し、主要株指数が揃って大幅安、ナスダック総合株価指数は週間で約8%の急落をみせた。
東京株式市場でも半導体などをはじめハイテクセクターに売りがかさみ、朝方は300円超の下げをみせたが、その後は値ごろ感からの押し目買いが入りプラス圏に転じた。
半導体関連の主力値がさ株が買い戻され全体指数を押し上げた。取引時間中は米株価指数先物が堅調に推移していたことも市場センチメントを強気に傾けた。
川崎汽や郵船など海運株が午後に上げ幅を広げた。前週に大きく下げていたとあって、見直し買いが入った。銀行株の上昇も目立った。値がさの半導体関連銘柄の一部も朝安後に上昇に転じており、指数を押し上げた。
日経平均は昨年夏以降、2万7000円台前半では主力銘柄に値ごろ感からの買いが入り、底入れしてきた。足元でも、先行きの業績見通しから割安感が強まる水準にあり一段と売り込む動きは限られるとの見方が出ていた。
市場からは「FOMC(米連邦公開市場委員会)に対する織り込みが進み、通過でアク抜けするとのストーリーもあるが、やはり結果を見極めるまでは軽々に動けない。ただ、資金的に余裕のある向きは押し目歓迎とみられる」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は反発した。東証株価指数(TOPIX)も反発し、終値は前週末比2.69ポイント高の1929.87で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆6447億円。売買高は10億8096万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1527と、全体の約7割を占めた。値下がりは582、変わらずは75銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)では鉱業、海運業、銀行業などが上昇。証券・商品先物取引業、精密機器、その他製品などが下落した。
個別では、朝安の東京エレクトロンやレーザーテックなどがプラス圏に切り返したほか、日本郵船、商船三井など海運株が強く、ファーストリテイリング、アドテストも買いが優勢だった。三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも頑強な値動き、エムスリー、エーザイINPEXも値を上げた。キャリアリンクが商いを伴い大幅高となったほか、サイバーコム、ピーバンドットコムも値を飛ばした。
半面、ソフトバンクグループが軟調、リクルート、ソニーグループも冴えない。任天堂が安く、日本電産、HOYA、大和、ホンダなども値を下げた。SHIFT、ベイカレント・コンサルティングが売られ、富士通も下落。三井海洋開発がストップ安となり、三井E&Sホールディングスも急落した。Gunosy、東京製鐵も大幅安となった。
東証2部株価指数は前週末比7.23ポイント高の7271.37ポイントと反発した。
出来高1億5239万株。値上がり銘柄数は234、値下がり銘柄数は163となった。
個別では、クシム、リードが一時ストップ高と値を飛ばした。シャルレ、高田工業所、日本製罐、テラプローブ、プレミアムウォーターホールディングスが買われた。
一方、技研ホールディングス、中外鉱業、アウンコンサルティング、エスビー食品、STIフードホールディングスなど24銘柄が昨年来安値を更新。FRACTALE、明治機械、川本産業、エスティック、エヌリンクスが売られた。