米国と中国の貿易摩擦が解消されず、両国を中心に世界的な景気減速の不安が台頭する中で、幅広い業種が利益確定売りなどに押された。
朝方は、前日連騰(合計668円上昇)の反動や週末要因などから利益確定売りが先行した。その後いったん持ち直したが、戻りは限定的で再び軟化。時間外取引で米株価指数先物が下げ基調を強めるとともに下げ幅を拡大し、前場終盤には2万1353円94銭(前日比462円25銭安)まで下落した。中国・上海総合指数の反落も重しなった。
一巡後は、日銀のETF(上場投資信託)買い期待もあって後場前半に向けて下げ渋ったが、買いは続かず、大引けにかけて安値圏で推移した。
同日発表された中国の経済指標が予想を下回ったことも、世界的な景気減速への懸念を強めた。中国製の通信機器を締め出す米国の動きが日本の上場企業にもマイナス影響を及ぼし始めており、株式市場はしばらく下値不安を抱えながらの展開が続きそうだ。
市場では株価指数先物・オプション12月物の特別清算指数(SQ)算出に向けた思惑的な買いで、先物主導で上昇していたとの見方が多い。14日の下落は「この上昇分がはげ落ちたにすぎない」との声も聞かれた。
JPX日経インデックス400は3営業日ぶりに反落した。終値は前日比220.25ポイント安の1万4102.17だった。
東証1部の売買代金はで3兆1637億円、売買高は18億7153万株だった。寄り付き時点でSQ算出に絡んだ売買が膨らんだ。東証1部の値下がり銘柄数は全体の8割強となる1826、値上がりは252、変わらずは50銘柄だった。