きょうの東京株式市場は半導体関連株などをはじめ全面安に売り込まれる状況となり、日経平均の下げも大きく、一時1800円強の下落で3万6000円台をつける場面があった。大引けは買い戻しで若干下げ渋ったものの1600円を超える下げとなり、3万7000円トビ台で引けている。下げ幅は今年3番目の大きさ。前日の米国株市場では発表された8月のISM製造業景況感指数が市場予想を下回ったことで、米経済失速を懸念する形で売りがかさんだ。特に画像処理半導体大手エヌビディア<NVDA>を筆頭に半導体関連株の下げが顕著で、東京市場でもこれを引き継いで時価総額上位の半導体製造装置関連株を中心に大口の売りが表面化した。外国為替市場で1ドル=145円近辺までドル安・円高に振れたことも投資家心理を悪化させた。値下がり銘柄数は全体の93%を占め、売買代金は5兆円台に膨らんだ。
3日の米株式市場で主要3指数がそろって大きく下落した。前週末まで連日で最高値を更新していたダウ工業株30種平均は1.50%安となったほか、ナスダック総合株価指数や主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)も急落した。米サプライマネジメント協会(ISM)が3日発表した8月の製造業景況感指数が市場予想に届かず、好不況の節目となる50割れが続いた。
東京株式市場で特に下げが目立ったのが半導体関連株で、日経平均のマイナス寄与度ランキングで首位の東エレクと2位のアドテストの2銘柄で日経平均を345円下押しした。日本時間午後の取引で主要なハイテク株で構成する米ナスダック100指数の先物が軟調に推移したほか、半導体の台湾積体電路製造(TSMC)が上場する台湾加権指数などアジアの株価指数が下落したことも重荷だった。
日経平均は後場中ごろにかけて下げ足を速め、14時過ぎに下げ幅は一時1800円を超えた。チャート分析上で短期トレンドを示す25日移動平均(3万7174円、3日時点)や長期トレンドを示す200日移動平均(3万7421円、同)を割り込み、投資家心理の重荷になった。いずれも8月中旬以降、下値支持線として意識されていただけに、海外ヘッジファンドなど短期筋による株価指数先物への売りを促し、日経平均は先物主導で下げ幅を広げた。
また、自民党総裁選の争点が金融所得課税増税となりそうなことも投資家心理を悪化させたとみられる。米景気については、5日に発表される8月のISM非製造業景気指数や6日の雇用統計の結果を見極めたいとの思惑が強い。日経平均は調整幅としては十分だが、米経済指標にらみのなか、押し目買いを慎重にさせそうだ。